新人保育士がつらい時に|辞める判断基準と合う職場の探し方

配属されたクラスの子どもの名前をやっと全員言えるようになったころ、5月の連休が明けます。朝7時の早番で門を開け、午睡の時間は連絡帳と日誌、夕方は延長保育の引き継ぎ。家に着くころには、明日の手遊びを練習する力も残っていない。「新人保育士 つらい」と検索したのは、そんな夜だったかもしれません。

新人のつらさは、あなたの力が足りないから起きるものではありません。覚えること、人間関係、体力、子どもと保護者への責任、そして「思っていた保育と違う」という気持ち。これらが入職してからの数か月に、まとめて押し寄せてくるからです。一つずつなら乗り越えられることも、重なると「全部が無理」に見えてしまいます。

この記事は、新人保育士のための記事の入り口として、つらさの分け方、続けるか辞めるかの判断基準、次に合う職場の見つけ方までを一つにまとめました。気になるところから読み、もっと知りたいテーマはリンク先で深めてください。

この記事でわかること

  • 新人保育士がつらくなる5つの理由と、自分のつらさの分け方
  • 「慣れれば軽くなるつらさ」と「環境を変えたほうがいいつらさ」の見分け方
  • 辞めるか続けるかを決める判断の順番と、すぐに休むべきサイン
  • 同じ思いを繰り返さないための、合う職場の見つけ方

結論

新人保育士がつらいと感じるのは、仕事を覚えること、人間関係、体力、子どもや保護者への責任、理想とのギャップという5つの負担が、入職後の数か月に重なって来るからです。まず自分のつらさをこの5つに分け、経験を積めば軽くなるものか、休憩が取れない・人格を否定されるなど園の仕組みや人が原因で続くものかを見分けてください。前者なら相談しながら続ける価値があります。後者の場合や、眠れない・涙が止まらない状態が2週間以上続く場合は、休むことや職場を変えることを選んでかまいません。次の職場は、つらかった場面を条件に言い換え、3つに絞って見学と面接で確かめると見つけやすくなります。

01新人保育士のつらさは、5つの負担が重なって生まれる

要点:新人のつらさは「覚えること」「人間関係」「体力」「責任の重さ」「理想とのギャップ」の5つに分けられます。どれが一番重いかによって、取るべき対策も、読むべき情報も変わります。

学生時代の実習では、担当の先生がいつも隣にいて、1日の流れも決まっていました。働き始めると、同じ1日の中で、午睡チェック、排泄の記録、お迎え時の保護者への口頭連絡、行事の準備を自分で回さなければなりません。しかも園ごとに独自のやり方があり、養成校で学んだことがそのまま通じない場面も少なくありません。

図1

  • 1

    覚えることが多い

    子どもの名前とアレルギー、1日の流れ、書類の書き方、園独自のルールを同時に覚える

  • 2

    人間関係に気をつかう

    複数担任の先輩、主任、同期との距離感がつかめず、質問のタイミングに迷う

  • 3

    体がついていかない

    早番・遅番の不規則なシフト、立ちっぱなし、抱っこの負担で疲れが抜けない

  • 4

    責任が重く感じる

    午睡中の呼吸確認、けが、保護者からの質問など、一つのミスが大きく感じられる

  • 5

    理想と違う

    一人ひとりに向き合いたいのに、時間に追われて流れをこなすだけの日が続く

図1 新人保育士がつらくなる5つの理由

5つのうち、今いちばん重いものに印をつけてみてください。覚えることが中心なら、覚え方を工夫するだけで楽になる部分があります。具体的な方法は仕事を覚えられない新人のための覚え方にまとめました。先輩や同期との関係が中心なら、新人の人間関係がつらいときの考え方が参考になります。

書き出すときは「感情」ではなく「場面」を書く

書き出すときのこつは、気持ちではなく場面を書くことです。「先輩が怖い」ではなく「お迎えの時間に、保護者の前で『それ違う』と言われた」。「疲れた」ではなく「早番の翌日に遅番が入る週は、帰宅が20時を過ぎる」。場面で書くと、同じことが週に何回起きているかが見えてきます。週に1回なのか、毎日なのか。その回数こそが、あとで判断するときの一番確かな材料になります。1週間だけ、帰りの電車でスマートフォンのメモに3行ずつ残すくらいで十分です。

一番重いものは、季節によって入れ替わる

4月と5月は「覚えること」、梅雨から夏にかけては「体力」と「人間関係」、運動会や発表会のある秋は「責任の重さ」。つらさの中心は、季節とともに移り変わることが多いものです。今のつらさが同じ形でずっと続くわけではないと知っておくだけでも、少し息がしやすくなります。反対に、季節が変わっても同じつらさが同じ重さで続いているなら、それは時期の問題ではなく、職場の仕組みや人との関係に原因がある可能性が高いと考えられます。時期ごとの山の越え方は新人保育士は何か月で慣れるかで整理しています。

現場の多くの保育士も、同じところでつまずいている

東京都が保育士を対象に行った調査では、保育士を辞めたいと考える理由として、給料の安さ、仕事量の多さ、労働時間の長さ、職場の人間関係が上位に並びました[1]。新人だけが特別に弱いわけではなく、経験を積んだ保育士も同じ負担を感じています。

図2

保育士を辞めたいと考える理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位4項目)[1]

給料が安い61.6%
仕事量が多い54.0%
労働時間が長い35.4%
職場の人間関係30.1%
図2 保育士を辞めたいと考える理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位4項目)[1]

02「慣れれば軽くなるつらさ」と「環境を変えるべきつらさ」の見分け方

要点:経験とともに軽くなるのは、覚えることや段取りのつらさです。一方、休憩がほとんど取れない、特定の人から人格を否定される、聞いていた条件と違うといったつらさは、慣れても軽くなりません。

新人のうちは、何がつらくても「自分がまだ慣れていないせいだ」と考えがちです。確かに、1日の流れや書類の書き方は、繰り返すうちに体が覚えていきます。ところが、職場の仕組みや人の問題は、新人がどれだけ頑張っても変えにくいものです。この二つを混ぜたままにすると、本当は環境の問題なのに、自分だけを責め続けることになります。

図3

項目慣れで軽くなりやすい慣れても続きやすい
仕事の中身1日の流れ、日誌の書き方、手遊びや絵本の引き出しが少ない毎日の持ち帰り、勤務時間外の行事準備が当たり前になっている
人との関係誰に何を聞けばいいか分からない、距離感がつかめない特定の人から怒鳴られる、無視される、人前で人格を否定される
体と時間早番・遅番の切り替えに体が慣れていない休憩がほぼ取れない、休みの日も連絡が来る
条件給与明細の見方が分からない求人票や労働条件通知書で聞いていた内容と実際が違う
図3 慣れで軽くなるつらさと、慣れても続くつらさ

右の列に当てはまるものが多いほど、時間が解決してくれる見込みは低くなります。たとえば休憩は、労働時間が6時間を超える日は少なくとも45分、8時間を超える日は少なくとも1時間を、勤務の途中に与えて自由に使わせることが法律で決まっています[2]。午睡中に連絡帳を書きながら「休憩扱い」になっているなら、それは新人の努力で解決できる話ではありません。

職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景にした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、働く環境が害されるものと定義されています[3]。ミスの内容を具体的に指摘されるのは指導の範囲です。けれども「だから新人は使えない」「向いてないから辞めたら」といった人格を否定する言葉が繰り返されるなら、一人で我慢する問題ではありません。

聞いていた条件と違うときに、まずやること

入職前に明示された労働条件が実際と違う場合、労働者はすぐに労働契約を解除できると法律で定められています[4]。ただし、すぐにそうするかどうかは別の話です。まずは労働条件通知書と給与明細を並べ、何がどれだけ違うのかを書き出してください。判断に迷ったら、労働局や労働基準監督署の中にある総合労働相談コーナーで、無料・予約不要で相談できます[5]。

03辞めるか続けるかを決める、5段階の確かめ方

要点:心身の状態、新人の努力では変えられない問題の有無、相談したかどうか、相談の結果、次の条件の5段階で順番に確かめます。最初の段階に当てはまるなら、判断より先に休むことを優先してください。

図4

今のつらさは、どの段階?

  1. 心身の不調が2週間以上続いている眠れない、食べられない、出勤前に涙が出るなら、判断は後回し。受診して休むことを優先する
  2. 休憩なし・ハラスメント・条件の違い新人の努力では変えられない問題。日付と内容を記録し、園の相談窓口や労働相談につなぐ
  3. まだ誰にも具体的に相談していない主任や先輩に一度、困っている場面と回数を添えて相談してみる
  4. 相談しても何も変わらなかった年度の区切りまでの見通しを立て、ほかの職場の情報を集め始める
  5. 次の職場で譲れない条件を3つ言える辞める準備はおおむね整っている。退職の時期と伝え方を決める
図4 新人保育士が辞めるか続けるかを考える順番

この順番には理由があります。体と心が限界に近いときは、物事を実際より悲観的に見やすく、「どこへ行っても自分はだめだ」という結論になりがちです。また、ハラスメントや条件の違いは、相談して様子を見る段階を待たずに、外の窓口を使ってよい問題です。逆に、まだ誰にも相談していない段階で辞めると、あとで「言えば変わったかもしれない」という思いが残りやすくなります。どの段階にいるかが分かれば、今週やることは一つに決まります。

心と体のサインは、ほかのどの理由よりも先に見る

朝起きると動悸がする、通勤中に涙が出る、休日も子どもの泣き声が頭の中で響いて眠れない。こうした状態が2週間以上続いているなら、続けるか辞めるかを考える前に、医療機関を受診して休むことを考えてください。働く人のための「こころの耳電話相談」(0120-565-455)は、平日17時〜22時、土日10時〜16時に無料で話を聞いてくれます(祝日と年末年始は休み)[6]。毎日泣いてしまう状態からの立て直し方は、毎日泣いてしまう新人保育士へで詳しく扱っています。

相談は「つらい」ではなく「場面と回数」で伝える

「つらいです」とだけ伝えると、聞いた側も「みんな最初はそうだよ」と返すしかありません。「午睡の時間に連絡帳18冊を書くと、休憩が取れない日が週4日あります」のように、場面と回数を添えると、相手は具体的な手立てを考えやすくなります。相談しても何も変わらなかったなら、それは環境を変える理由として十分です。

「1年は続けるべき」に縛られすぎない

「最低でも1年は続けないと次がない」と言われることがあります。在籍期間が短いと、面接で理由を聞かれる場面が増えるのは事実です。ただ、心身を壊してまで守るべき期間ではありません。期間の定めのない雇用なら、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用が終わります[7]。実際には担任の引き継ぎがあるため、就業規則を確かめたうえで1〜3か月前に伝える人が多いものの、「辞められない」と思い込む必要はありません。1年目で辞める場合のお金や転職活動の現実は、1年目で辞めたいときに知っておきたいことにまとめています。

続けると決めたときにも、やっておきたいこと

続けると決めたなら、それは逃げでも我慢でもなく、一つの選択です。そのうえで、続ける理由を自分の言葉で一行だけ書いておいてください。「3月の進級式まで、このクラスの子たちを見届けたい」「主任が週1回話を聞いてくれるようになった」。具体的な理由ほど、つらい日に読み返したときの支えになります。あわせて、年度末の意向調査や面談で、来年度の担当や働き方について希望を伝える準備も始めておくと、続ける毎日に区切りが見えてきます。

04相談事例:「全部つらい」が、一つの問題に変わった秋

要点:つらさを5つに分けて書き出したことで、本当の原因が「クラス内のやり方のずれ」だと分かり、園の中の調整で続けられるようになったモデルケースです。

「私が下手なんじゃなかった」と分かった日

相談事例(モデルケース)

お名前
ふうかさん(仮名)・22歳
保育士歴
1年目(4年制大学を卒業して新卒で入職)
勤務先
私立の認可保育園(定員約120名)、2歳児クラス(3人担任の1人)
変化
「辞めたい」と思う日 週5日 → 週1日ほど/注意される回数 1日5〜6回 → 週2〜3回

編集部相談に来たのは、いつごろでしたか。

ふうかさん

10月の運動会が終わった週です。夏ごろからずっと「全部がつらい」としか言えなくて。何がつらいのって聞かれても、答えられなかったんです。

編集部5つに分けて書き出してみて、何が見えましたか。

ふうかさん

書いてみたら、覚えることはもう大体できていたんですよ。体力も、夏よりはましになっていて。一番重かったのは、2人の先輩のやり方が違うことでした。トイレに誘うタイミングも、着替えの順番も、先輩によって言うことが逆で。どちらに合わせても、もう片方に注意される。それが毎日でした。

編集部それで、どうしましたか。

ふうかさん

主任に「クラスのやり方をそろえてもらえませんか」とだけお願いしました。正直、新人がそんなことを言っていいのか、すごく怖かったです。でも、注意された場面を2週間分メモしていたので、それを見せたら「これは新人のせいじゃないね」って言ってもらえて。

編集部その後、クラスはどう変わりましたか。

ふうかさん

週に1回、午睡の時間に15分だけ、3人で手順を確かめる時間ができました。生活の流れを1枚の紙にして、ロッカーの内側に貼ったんです。注意される回数が、1日5〜6回から週に2〜3回くらいまで減りました。

私が下手なんじゃなくて、正解が2つあったんだって分かった瞬間、肩の力が抜けました。

ふうかさん(仮名)

ふうかさんは、その年度は今の園で続けることに決めました。そのうえで「次に園を選ぶときは、クラスの中で手順を共有する仕組みがあるかを見る」という条件を、ノートに一つ書き留めたそうです。続けると決めたことも、条件を書き留めたことも、どちらも自分で選んだ結果です。

このケースのように、「全部つらい」は分けてみると、一つか二つの具体的な問題に絞られることがよくあります。問題が具体的になれば、相談する相手も、伝える言葉も自然に決まります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

05次の職場で同じ思いをしないための、合う職場の見つけ方

要点:合う職場は、求人の数から探すより先に、「今の園で何がつらかったか」を条件に言い換えると見つけやすくなります。保育士の求人は多く、新人でも職場を選べる状況にあります。

保育士の有効求人倍率は、2026年7月時点で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています[8]。求人は多いので、1年目だから選べないということはありません。ただし、求人が多いぶん、条件があいまいなまま探すと、また同じ悩みを抱える職場を選んでしまうことがあります。

図5

  1. つらかった場面を書き出す

    5つの分類ごとに、「何曜日の何の時間に、何があったか」を具体的に書く

  2. 条件に言い換える

    「先輩のやり方が違う」を「クラスで手順を共有する仕組みがある」のように、次の職場の条件に変える

  3. 譲れない条件を3つに絞る

    3つを超えた条件は「あればうれしいこと」に回して、比べやすくする

  4. 求人票で確かめる

    休憩の取り方、残業と持ち帰りの有無、研修や新人のフォロー体制の記載を見る

  5. 見学で確かめる

    職員同士の声かけ、新人が一人で抱えていないか、書類にかけている時間を見る

  6. 面接で聞く

    1年目の新人がどんな流れで仕事を覚えるか、相談相手が決まっているかを具体的に聞く

図5 新人保育士が自分に合う職場を見つける手順

新人が特に見ておきたい3つの点

  • 新人の育て方が決まっているか:誰が教えるか、いつ振り返るかが決まっている園は、質問しやすい空気があることが多いです。
  • 書類と持ち帰りの量:連絡帳や日誌をどう書いているかで、毎日の負担は大きく変わります。保育のICT4機能(登降園管理・計画記録・保護者連絡・キャッシュレス決済)をすべて導入している施設は11.7%、いずれかを導入している施設は80.8%という調査があり[9]、園による差が大きいところです。
  • 担任の組み方:1年目から一人で担任を持つのか、複数担任の中で学べるのかは、園の規模や方針によって違います。

見学で職員の様子をどう見ればいいかは、働きやすい園の見分け方で詳しく紹介しています。求人票の言葉だけでは分からないことも多いので、見学で「新人の先生は今どんな仕事をしていますか」と一言聞いてみるだけでも、園の空気が伝わってきます。

公的な窓口も、職場探しに使える

民間の転職サービスだけでなく、公的な窓口もあります。都道府県などが設置する保育士・保育所支援センターは、保育士への職業紹介などの就業支援を業務としており、2025年12月時点で全国75か所に置かれています[10]。名称や連絡先は地域ごとに違うため、住んでいる都道府県の公式サイトで確かめてください。どの窓口を使う場合でも、自分の条件が3つに絞れていれば、紹介された求人が合うかどうかを自分で判断しやすくなります。

短い在籍期間は「次に大切にしたいこと」で説明する

1年目で職場を変える場合、面接では「なぜ短い期間で辞めるのか」をほぼ確実に聞かれます。このとき、前の園の不満を並べる必要はありません。「複数担任の中で手順をそろえながら学べる環境で、乳児保育の基本を身につけたい」のように、書き出した条件をそのまま「次に大切にしたいこと」として話せば、前向きな理由として伝わります。条件を言葉にする作業は、職場選びと面接準備を同時に進めることでもあります。

06無理に前向きにならなくていい、と伝えたい理由

要点:「みんな通る道」は、つらさを我慢し続ける理由にはなりません。また、続けても辞めても、1年目に積み重ねたことは次につながります。どちらを選ぶかより、自分で選んだと言えることのほうが、あとで自分を支えてくれます。

「私も1年目は泣いていた」は、我慢の理由にはならない

先輩から「私も1年目は毎日泣いてたよ」と声をかけられることがあります。励ましのつもりの言葉ですが、それで今のつらさが軽くなるとは限りません。多くの人が通った道だとしても、あなたが今つらいことに変わりはありません。通った人が多い道だからこそ、助けを求める方法も、休む方法も、前の人たちが残してくれています。

続けても辞めても、1年目の経験は残る

続ける道を選んでも、辞める道を選んでも、1年目に覚えた午睡チェックの手順や、保護者への伝え方、子どもが泣いたときの抱き方は、どの職場でも生きる力です。「1年もたなかった自分には何も残っていない」と感じる人もいますが、毎朝7時に門を開け、子どもを迎え続けた日々は、なかったことにはなりません。

一人で整理するのが難しいときは、保育の現場を知っている人に話してみてください。誰に相談すればいいか迷う場合は、ほいくの相談室のように、転職を決めていない段階の新人保育士の話を聞いている窓口もあります。5つのつらさを一緒に書き出すところから始めるだけでも、次の一歩は見えやすくなります。

よくある質問

新人保育士がつらいと感じるのは、私だけでしょうか?

あなただけではありません。東京都の調査では、保育士として働く人が辞めたいと考える理由として、仕事量の多さや労働時間の長さ、職場の人間関係が上位に挙がっています[1]。経験を積んだ保育士も同じ負担を感じているので、つらいと感じること自体を責める必要はありません。

入職して1か月で辞めたいと思うのは早すぎますか?

早すぎるということはありません。ただ、4月から5月は覚えることが一番多い時期で、6月以降に少しずつ楽になる人もいます。心身の不調がないなら、まずつらさを5つに分け、どれが一番重いかを確かめてから考えると、後悔の少ない選び方ができます。

有給休暇は入職してすぐに使えますか?

法律上、年次有給休暇は雇い入れから6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10日付与されます[11]。園によっては入職時から一部を付与している場合もあるので、就業規則で確かめてください。体調が悪いときは、有給休暇の有無にかかわらず受診を優先しましょう。

先輩に「向いていない」と言われました。辞めるべきでしょうか?

一人の言葉だけで向き不向きを決める必要はありません。新人の時期は、できないことが目につきやすいものです。ほかの先輩や主任、園外の人にも話を聞き、自分が得意な場面と苦手な場面を書き出してから考えてください。人格を否定する言葉が繰り返される場合は、園の相談窓口や労働相談につなぐことも考えます。

家族に相談したら「もう少し頑張れ」と言われます。

家族は職場の様子が見えない分、心配から引き止めることがあります。「休憩が取れない日が週4日ある」「注意される回数が1日5回ある」のように、場面と回数で伝えると、気持ちだけでなく状況が伝わりやすくなります。眠れない日が続いているなら、そのことも具体的に伝えてください。

同期はみんな楽しそうに見えて、自分だけがつらい気がします。

同期のつらさは、外からは見えにくいものです。担当クラスや組む先輩が違えば、つらさの種類も時期も違います。比べる相手を同期にするより、1か月前の自分と比べて、できるようになったことを3つ書き出してみてください。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  2. e-Gov法令検索「労働基準法」
  3. 厚生労働省 パワーハラスメント対策リーフレット
  4. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
  5. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  6. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
  7. e-Gov法令検索「民法」
  8. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  9. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  10. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  11. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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