保育士は正社員とパートどちらがいい?比較と選び方

日曜の夜、求人サイトの「正社員」と「パート」のタブを何度も切り替えている。正社員の求人には月給と賞与の欄が並び、パートの求人には「9時〜15時」「週3日からOK」の文字が見える。どちらにも惹かれて、どちらにも決めきれないまま、気づけば日付が変わっていた。そんな夜を過ごしたことがある人は、少なくないはずです。

正社員とパートで迷うとき、多くの人は「お金を取るか、時間を取るか」の二択で考えます。けれど実際に比べるべきものは、もう少し多くあります。任される仕事の範囲、有給休暇や社会保険、子どもの年齢によって使える制度、そして数年後に働き方を戻せるかどうか。ここを見ないまま決めると、「パートにしたのに思ったほど楽にならない」「正社員を続けたけれど家庭が回らない」というずれが生まれやすくなります。

この記事では、保育士の雇用形態を4つの物差しで比べ、自分に合う形を5つの質問で絞り込む方法をまとめました。短時間勤務の正社員や派遣など、二択の間にある働き方も紹介します。今の園で働き方を変える場合にも、転職する場合にも使える内容です。

この記事でわかること

  • 正社員とパートの違いを「時間・お金・責任・守り」の4つで比べる方法
  • 短時間勤務の正社員、派遣、契約職員など、二択の間にある働き方
  • 自分に合う雇用形態を絞り込む5つの質問と、時期ごとの考え方
  • 雇用形態を変える前に知っておきたい3つの現実

結論

保育士が正社員とパートのどちらを選ぶかは、「必要な収入と保障の大きさ」と「今の生活で仕事に使える時間と体力」の2つで決まります。毎月の固定収入や賞与、担任や役職の経験を重視するなら正社員、勤務時間や日数を生活に合わせることを優先するならパートが向いています。ただし、3歳未満の子を育てる人には正社員のまま使える短時間勤務の制度があり[1]、パートでも条件を満たせば有給休暇や社会保険があります[2][3]。二択で決める前に、使える制度と求人の条件を確かめてから選ぶと、後悔の少ない選び方になります。

01正社員とパートの違いは「時間・お金・責任・守り」で比べる

要点:正社員とパートの違いは、給料の額だけではありません。働く時間の決まり方、収入の形、任される仕事の範囲、有給休暇や社会保険といった「守り」の4つを並べると、自分にとってどこが大きな差なのかが見えてきます。

求人票を見比べるとき、目に入りやすいのは月給と時給の数字です。けれど保育士の場合、雇用形態による差がいちばん大きく出るのは、時間と責任のほうかもしれません。正社員はクラス担任や行事の担当、指導計画や月案・週案の作成を任されることが多く、早番7時・遅番19時のようなシフトにも入ります。パートは保育補助や延長保育、午睡中の見守りなど、時間帯と役割を絞った働き方が中心です。

図1

比べること正社員パート
働く時間早番・遅番を含むシフト制が多く、月の勤務時間は長め「9時〜15時」「週3日」など、時間と日数を選びやすい
収入の形月給制。賞与・昇給・退職金の制度を設けている園が多い時給制。働いた時間で収入が決まり、賞与の有無は求人ごとに違う
任される仕事クラス担任、指導計画、行事の担当、保護者対応の中心保育補助や時間帯の担当が中心で、書類は少なめのことが多い
有給休暇6か月の勤務で10日。勤続に応じて増える週の日数と時間に応じて付与。短時間なら比例付与
社会保険勤務先の健康保険・厚生年金に加入するのが一般的週20時間以上などの条件を満たせば加入
キャリア主任・リーダーなど役職への道がある経験は積めるが、役職につく道は限られやすい
図1 保育士の正社員とパートの主な違い(一般的な傾向)

責任の差は、勤務時間の外に表れやすい

正社員とパートの差がいちばん実感されるのは、実は勤務時間の外です。正社員は、子どもが帰ったあとの職員会議、行事の打ち合わせ、壁面や制作物の準備、個別の指導計画の見直しなどを抱えやすく、それが残業や持ち帰りにつながります。パートは時間が来たら上がるのが基本なので、「家に帰ってから仕事のことを考えなくていい」と感じる人が多い働き方です。反対に、パートになると会議に出ないぶん、行事の方針や子どもの情報が自分だけ遅れて届くことがあります。この「関われる範囲」の差を、物足りなく感じるか、ほっとするかで向き不向きが分かれます。

表のうち、有給休暇と社会保険は法律で決まっている部分です。フルタイムで働く人の年次有給休暇は、6か月続けて勤務し8割以上出勤すると10日、6年6か月以上で20日になります[4]。週30時間未満で週4日以下のパートは日数に応じた比例付与で、たとえば週3日なら6か月の時点で5日です[2]。社会保険は2026年10月に「月8.8万円以上」という賃金の要件がなくなり、週20時間以上・従業員51人以上の企業などの条件を満たすパートは加入の対象になりました[3]。

時給に直すと、見え方が変わる

月給と時給は、そのままでは比べられません。参考になるのが、国の賃金統計をもとにした保育士の1時間当たりの賃金です。

図2

保育士の1時間当たり賃金(令和7年賃金構造基本統計調査にもとづく)[5]

一般労働者(残業代・賞与を含む)2,147円
短時間労働者1,419円
図2 保育士の1時間当たり賃金(令和7年賃金構造基本統計調査にもとづく)[5]

一般労働者の数字には、残業代と賞与が含まれています[5]。正社員の時給換算が高く見える理由の一部は、賞与と残業代にあるということです。逆に言えば、持ち帰り仕事やサービス残業が多い園では、実際に働いた時間で割ると差は縮みます。全国の平均なので、地域や園によって上下する点にも注意してください。

比べるときは、月の収入を一度計算してみると分かりやすくなります。例:時給1,400円で1日6時間・月20日働くと、月の収入は16万8,000円です。この額と、正社員の月給に賞与を12か月で割った額を足したもの、それぞれの社会保険料、通勤手当の有無を並べてみてください。「時間あたりでいくら違うのか」「その差で何を得ているのか」が、ぐっと具体的になります。

02正社員とパートの間にある働き方

要点:保育士の雇用形態は、正社員とパートの二択ではありません。短時間勤務の正社員、週4日の正社員、契約職員、派遣、公立の会計年度任用職員など、間にある働き方を知っておくと、選択肢が広がります。

「正社員はきつい、でもパートだと収入が心配」という迷いは、両端の二つだけを見ているときに起きやすいものです。実際の求人や制度には、その間を埋める形がいくつもあります。

図3

  • 1

    短時間勤務の正社員

    正社員のまま1日の勤務時間を短くする形。3歳未満の子を育てる人には、1日原則6時間の短時間勤務制度がある[1]

  • 2

    週4日・週休3日の正社員

    1日の勤務時間や給与の計算を変えて、休みを増やす形。仕組みは園ごとに違う

  • 3

    契約職員

    期間を決めて雇われる形。更新の上限の有無と内容は、契約や更新のときに明示される[6]

  • 4

    派遣

    派遣会社と雇用契約を結んで園で働く形。園や時間帯を選びやすい反面、契約は期間ごとになる

  • 5

    会計年度任用職員

    公立保育園などで働く非常勤の公務員。条例により勤勉手当が支給される場合もある[7]

図3 正社員とパート以外の主な働き方

なかでも見落とされやすいのが、1つめの短時間勤務です。3歳に満たない子を育てる労働者について、事業主は1日の所定労働時間を原則6時間とする制度を設けなければなりません[1]。対象は「労働者」なので、男性の保育士も使えます。ただし、対象から外れる条件が決まっている場合もあるため、利用できるかどうかは就業規則で確かめてください。「お迎えに間に合わないからパートに」と考えている人ほど、雇用形態を変える前に一度確認する価値があります。子どもの年齢ごとの考え方は保育士が時短勤務で転職するときのポイントで詳しくまとめています。

ほかの働き方にも、それぞれ向き不向きがあります。パートへの転職を考えている人はパート保育士に転職するメリット・デメリット、派遣が気になる人は派遣保育士のメリット・デメリットと時給の見方に注意点をまとめました。日数を減らしたい人は週3日・週4日で働く方法と求人の探し方も参考になります。

03自分に合う雇用形態を絞り込む5つの質問

要点:「毎月いくら必要か」「1日に何時間働けるか」「担任を持ちたいか」「どの保障が外せないか」「数年後に戻したいか」。この5つに順番に答えると、正社員・短時間勤務の正社員・パート・派遣のどれが合いそうかが絞れてきます。

図4

収入と時間、今どちらを優先したいか

  1. 毎月いくら必要か家賃・食費・教育費などから、生活に必要な手取り額を先に出す
  2. 1日に何時間、週に何日なら働けるかお迎えや介護、体力から、無理のない時間帯と日数を決める
  3. 担任や行事を担いたいかクラスを持つやりがいを取るか、補助の立場で関わるかを考える
  4. 外せない保障は何か社会保険、扶養、賞与、退職金のうち、手放せないものを選ぶ
  5. 数年後に働き方を戻したいか子どもの成長などで正社員に戻る予定があるなら、戻りやすい道を残す
図4 自分に合う雇用形態を絞り込む

質問1:毎月いくら必要か

最初に決めたいのは、気持ちではなく金額です。家賃やローン、食費、子どもの習い事、車の維持費など、毎月出ていくお金を書き出し、「最低これだけは手取りで必要」という額を出します。その額をパートの時給で割ると、何時間働けば届くかが分かります。届かないなら、パートを選ぶには家計の見直しも一緒に必要だということです。届くなら、時間を優先する選択が現実的になります。

質問2:1日に何時間、週に何日なら働けるか

次に、時間の上限を決めます。保育園のお迎え、学童の終わる時間、親の通院の付き添い、自分の体力。早番や遅番に入れる日が週に何日あるかも考えます。東京都の調査でも、過去に保育士として働いた人が復職するときの希望条件として、1日の勤務時間を挙げた人が73.8%と最も多く、週の勤務日数も57.3%でした[8]。時間の条件は、多くの保育士にとって譲れない軸です。午前だけ、午後だけといった働き方は短時間・午前だけの求人と働き方で紹介しています。

質問3:担任や行事を担いたいか

正社員を選ぶと、多くの場合クラス担任や行事の担当がついてきます。子どもの成長を1年通して見届けるやりがいは、担任ならではのものです。一方で、連絡帳や個別の記録、発表会の準備、保護者面談といった仕事も増えます。「今は子どもと関わる時間だけを大切にしたい」と感じるなら、補助の立場で関わる働き方が合っているかもしれません。

質問4:外せない保障は何か

社会保険、配偶者の扶養、賞与、退職金。このうち何を外せないかは、家族構成によって大きく変わります。健康保険の扶養に入るには年間収入130万円未満などの条件があり[9]、一方で週20時間以上働くと勤務先の社会保険に入る対象になることがあります[3]。扶養の範囲で働きたいのか、自分で社会保険に入って将来の年金を厚くしたいのかで、選ぶ雇用形態と時間数が変わります。

質問5:数年後に働き方を戻したいか

最後の質問は、少し先の話です。子どもが小学校に上がったら正社員に戻りたい、体力が戻ったらもう一度担任を持ちたい。そうした予定があるなら、今の園で雇用形態を行き来できるか、同じ法人でパートから正社員になった例があるかを確かめておくと安心です。転職して雇用形態を変える場合は、面接で「将来、正社員を希望した場合の道はありますか」と聞いておくと、園の考え方が分かります。答えがあいまいな園より、実際に登用された人の例を話してくれる園のほうが、数年後の選択肢を残しやすいといえます。

04ライフステージで変わる「ちょうどいい形」

要点:同じ人でも、ちょうどいい雇用形態は時期によって変わります。今の自分がどの段階にいるかを見ると、選ぶ理由がはっきりします。

図5

経験を積みたい時期

担任や行事を経験し、保育の土台をつくる。指導計画や保護者対応を学べる

正社員

子どもが3歳未満の時期

正社員のまま短時間勤務を使うか、パートで時間を固定するかを比べる

短時間勤務の正社員・パート

子どもが小学生の時期

学童のお迎えや長期休みに合わせ、週の日数や時間で調整する

週4日の正社員・パート

体力や介護が気になる時期

早番・遅番や行事の負担を減らし、時間帯や園を選びやすくする

パート・派遣

図5 時期ごとに考えたい雇用形態の例

この図は「この時期ならこれ」という決まりではありません。子どもが3歳未満でも、家族の協力があって正社員のまま担任を続ける人もいますし、独身でも体調を整えるためにパートを選ぶ人もいます。見てほしいのは、今の自分の状態と、1〜2年後の予定をセットで考えることです。

今の園で働き方を変えたいときの伝え方

雇用形態を変えるたびに、職場まで変える必要はありません。今の園で「来年度から週4日にしたい」「担任を外れて補助に回りたい」と相談できるなら、人間関係や通勤はそのままで、働き方だけを変えられます。相談するときは、次の順番で準備しておくと話が具体的になります。

  1. 変えたい内容を一つに絞る(例:遅番をなくしたい、週4日にしたい)
  2. 理由を一文で言えるようにする(例:子どものお迎えが18時までになった)
  3. いつから、いつまでの希望かを決める(年度の区切りに合わせると相談しやすい)
  4. 園側の困りごとへの代案を用意する(例:朝の受け入れは毎日担当できる)

園長や主任にとっても、職員の配置は年度の計画に関わる話です。早めに、期間と時間をはっきりさせて伝えるほど、受け止めてもらいやすくなります。転職するかどうかは、その相談の結果を見てから決めても遅くありません。

図6

  • 生活に必要な手取り額を出したか時給と時間で届くかどうかが、選べる形を左右する
  • 就業規則で短時間勤務や休暇の制度を確かめたか雇用形態を変えなくても解決できる場合がある
  • 社会保険と扶養のどちらを選ぶか決めたか週の時間数と年収の見込みで、加入や扶養の扱いが変わる
  • 担任を持つかどうか、自分の希望をはっきりさせたか入ってから任される役割とのずれを防げる
  • 数年後に正社員へ戻る予定があるか戻る予定があるなら、登用の例がある園を選ぶと道を残せる
  • 今の園で相談したか職場を変えずに働き方だけ変えられる可能性がある
図6 雇用形態を決める前の確認リスト

05相談事例:パートに変える前に、正社員のまま時間を変えた

要点:ここでは、パートへの切り替えを考えていた男性保育士が、正社員のまま働き方を変えたモデルケースを紹介します。

「パートしかない」と思い込んでいた

相談事例(モデルケース)

お名前
りくさん(仮名)・33歳
保育士歴
11年目
勤務先
私立の認可保育園(定員約100名)、4歳児クラス担任 → 2歳児クラスの副担任
家族
夜勤のある看護師の妻、2歳の娘
変化
平日の帰宅 19時半 → 17時半/パート案と比べて年収 約80万円の差を確保

編集部相談に来たとき、どんなことで迷っていましたか。

りくさん

妻が夜勤もある看護師で、娘はまだ2歳なんです。娘の保育園は18時まで、僕は遅番だと19時まで園にいる。週に2回は妻の母にお迎えを頼んでいて、もうこれ以上は無理だなと。パートになれば定時で帰れるし、それしか道はないと思い込んでました。

編集部話をしていく中で、何が分かりましたか。

りくさん

子どもが3歳になるまでは、正社員のまま1日6時間の短時間勤務を使えるって聞いたんです。正直、「男の自分も使えるんだ」って驚きました。家に帰って園の就業規則を読んだら、ちゃんと書いてあって。11年働いて、一度も開いたことがなかったんですよね。

編集部パートとの違いは、どうやって比べましたか。

りくさん

紙に書き出しました。パートで1日6時間、時給1,300円だと、年収は190万円くらい。短時間勤務の正社員だと、給料は時間の分だけ下がるけど、賞与も社会保険もそのまま残る。差が80万円くらいあって、それを見たら迷いがなくなりました。

編集部園長にはどう伝えたのですか。

りくさん

「娘が3歳になるまでの1年間、9時から16時の6時間勤務にしたい」と、期間と時間を決めてから話しました。担任は外れて2歳児の副担任になりましたけど、そこは自分でも納得してます。遅番に入れない分、ほかの先生に申し訳ない気持ちもあったので、朝の受け入れは毎日僕が担当すると決めました。

パートか正社員かで悩んでたけど、本当に決めるべきだったのは「いつまで、何時間働くか」だったんです。

りくさん(仮名)

りくさんはいま、平日は17時半に娘を迎えに行き、夕食とお風呂を担当しています。義母に頼んでいたお迎えはゼロになりました。娘が3歳になる来年の春に向けては、遅番のない固定シフトにするか、週4日の正社員に移るかを、今から園と話し合っているそうです。

このケースから持ち帰ってほしいのは、雇用形態を変える前に「今の雇用形態のまま使える制度」を確かめることです。パートへの切り替えは、時間の問題を解決する方法の一つにすぎません。制度を知ったうえで選んだパートなら、それも納得のいく選択になります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

06雇用形態を変える前に、知っておいてほしい3つの現実

要点:パートにすれば必ず楽になるわけではありません。収入の変わり方は時給だけでは分からず、正社員に戻る道は希望の条件しだいで狭くなることもあります。選ぶ前に、この3つを頭に入れておいてください。

1. パートでも、忙しさがなくなるわけではない

パートの多くは、朝の受け入れや夕方の延長保育、午睡の時間帯など、人手がいちばん足りない時間に入ります。担任の書類がない分、気持ちは軽くなりやすいものの、「勤務中はずっと動きっぱなし」と感じる人もいます。また、休憩は労働時間が6時間を超える場合に少なくとも45分と決まっているため[10]、6時間ちょうどの勤務では休憩のないシフトになることもあります。求人を見るときは、時間帯と休憩の扱いもあわせて確かめてください。

2. 収入の差は「時給×時間」だけでは決まらない

パートに変えると、時給の差に加えて、賞与、昇給、通勤手当、退職金の有無が変わることがあります。社会保険に加入すれば手取りは減りますが、そのぶん将来の年金や病気のときの保障が厚くなります。扶養の範囲で働く場合も、年間収入の見込みで判断される点に注意が必要です[9]。有給休暇の日数や取り方も、正社員とは少し違ってきます。パートの有給と社会保険の詳しい条件はパートの有給休暇と社会保険の条件で紹介しています。

3. 正社員に戻る道は、条件しだいで狭くなる

保育士の有効求人倍率は2026年7月で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています[11]。数字の上では、正社員の求人は見つけやすい状況です。ただし、「土日休み」「遅番なし」「自宅から20分以内」と条件を重ねるほど、当てはまる求人は少なくなります。数年後に戻る予定があるなら、パートの間も園内研修に参加する、保育の記録を書き続けるなど、経験を切らさない工夫をしておくと、戻るときの安心材料になります。

どの形を選んでも、それが「逃げ」や「妥協」になるわけではありません。自分と家族の今にとって、いちばん無理のない形を選ぶことが、保育の仕事を長く続けるための近道です。一人で比べるのが難しいときは、保育の働き方に詳しい人と一緒に条件を並べてみてください。ほいくの相談室では、雇用形態を変えるかどうか、転職するかどうかを決めていない段階の相談も受けています。

よくある質問

正社員からパートに変えると、保育士としての経験はリセットされますか?

保育士の資格や、これまでの経験そのものがなくなることはありません。面接では、正社員として担任をした年数やクラスを伝えられます。ただし、給与を決めるときに経験年数をどう扱うかは園ごとに違うため、応募の段階で確認しておくと安心です。

今の園で、正社員からパートに変えてもらうことはできますか?

園の規程や人員配置によって、認められる場合もあれば難しい場合もあります。相談するなら年度の区切りに合わせ、希望する時間と日数、始めたい時期を具体的に伝えると話が進みやすくなります。変更後の条件は口約束にせず、書面で受け取ってください。

パートでも担任を任されることはありますか?

園によっては、パートや契約職員がクラス担任や副担任を務めることもあります。担任を持ちたくない場合も持ちたい場合も、求人票や面接で「担当する役割」と「書類の範囲」を確認しておくと、入ってからのずれを防げます。

扶養の範囲で働きたい場合、パート以外の選択肢はありますか?

派遣や契約職員でも、勤務時間と日数を調整すれば扶養の範囲で働ける場合があります。健康保険の扶養は年間収入130万円未満などが基準で[9]、2026年4月1日以降に扶養に入る場合、給与収入だけの人は労働契約の内容から見込まれる年収で判断される扱いになりました[12]。雇用形態より、時給と時間の組み合わせで考えるのがこつです。

パートと派遣は、何が違うのですか?

パートは働く園や法人と直接雇用契約を結び、派遣は派遣会社と雇用契約を結んだうえで園に通います。給料や有給休暇の手続きは、雇い主である派遣会社が窓口になります。園と直接つながりたいならパート、園を移りやすい形がよいなら派遣、と考えると選びやすくなります。

正社員とパート、どちらが長く続けやすいですか?

一概には言えません。正社員は収入や役割の安定が支えになり、パートは時間の余裕が支えになります。自分が辞めたくなるのは「お金の不安」と「時間や体力の限界」のどちらに近いかを考えると、続けやすい形が見えてきます。

参考にした資料

  1. 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)」
  2. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  3. 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」
  4. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  5. 厚労省 職業情報提供サイト(job tag)「保育士」
  6. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  7. 総務省「地方自治法の一部を改正する法律について(会計年度任用職員制度関係)」(2023年5月30日)
  8. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  9. 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき…」
  10. e-Gov法令検索「労働基準法」
  11. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  12. 日本年金機構「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定…」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

ほいくの相談室

転職するかは、まだ決めなくていい。保育士の悩みを、まず相談。

正社員・パート・派遣のどれが合うかは、生活のリズムで変わります。条件の整理からお手伝いします。

  • 保育士の悩み専門
  • 転職の前提なし
  • LINE・オンラインで全国対応

LINEで相談する(友だち追加)

LINEが使えない方、文章でじっくり伝えたい方は、下のフォームから送ってください。

    相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。「何から話せばいいか分からない」の一行からでも受け付けています。送信後、入力したメールアドレスに確認のメールが届きます。 個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧ください。