保育士の持ち帰り仕事がつらい|実態と断り方・減らし方

日曜の夜9時。ダイニングテーブルに画用紙とハサミ、子どもたちの名前を書いたシールが広がっています。来週の誕生会の壁面を仕上げて、そのあとは月案の下書き。テレビの音を小さくした家族に「また仕事?」と聞かれて、うまく笑えなかった。そんな週末が、気づけば何か月も続いている人は少なくありません。

保育士の持ち帰り仕事は、外からは見えにくい負担です。タイムカードには記録されず、残業代も出ないことが多い。それでいて、やらなければ翌週の保育に穴が空く。だから「仕方ない」「みんなやっている」と飲み込んでしまいがちです。けれど、毎晩1時間の持ち帰りは、1か月で20時間を超えます。それだけの時間を、本来は休むために使えたはずです。

この記事では、保育士の持ち帰り仕事の実態と、それが労働時間にあたるかを考える手がかり、角を立てずに断る・減らすための伝え方を順に整理します。持ち帰りをすぐにゼロにできなくても、「どこまでなら引き受けるか」を自分で決められる状態を目指します。

この記事でわかること

  • 保育士が実際に持ち帰っている仕事と、持ち帰りが増える時期
  • 持ち帰り仕事が労働時間にあたるかを考えるときの手がかり
  • 持ち帰りを「見える化」する1か月の記録の付け方
  • 角を立てずに断る・減らすための伝え方と例文
  • 減らない園で、自分の生活と体を守るためにできること

結論

保育士の持ち帰り仕事がつらいのは当然で、多くは本人の能力の問題ではなく、書類や制作に使う時間が勤務時間の中に用意されていないことが原因です。持ち帰りが労働時間にあたるかどうかは個別の事情で判断されますが、園からの指示や締め切りがあり、勤務時間内には終わらない量を任されているなら、本来は勤務の中で行うべき業務だと考える手がかりになります。まずは1か月、持ち帰った作業と時間を記録し、「断る」よりも「勤務時間内でどうやるかを一緒に決める」形で園に相談するのが、関係を壊さずに減らす近道です。

01保育士が持ち帰っている仕事と、持ち帰りが増える時期

要点:持ち帰りの中心は、指導計画や個人記録などの書類と、壁面・行事の制作物です。量は1年を通して一定ではなく、年度の始まりと終わり、大きな行事の前に集中します。

「持ち帰り」とひとことで言っても、中身は人によって違います。相談でよく聞くのは、次のような仕事です。

  • 書類:月案・週案などの指導計画、個人記録や児童票、保育日誌の清書、おたよりの原稿
  • 制作物:季節の壁面、誕生カードやメダル、製作の見本、子どもの作品を飾る台紙
  • 行事の準備:発表会の衣装や小道具、運動会の旗や看板、卒園式の掲示物、BGMの編集
  • その他:園内研修のレポート、手遊びや歌の練習、保護者会の資料づくり

東京都の調査では、現在の職場で改善を希望する項目として「事務・雑務の軽減」を挙げた人が40.1%いました[1]。保育士を辞めたいと考えている人の理由でも、「仕事量が多い」が54.0%にのぼります[2]。家に持ち帰るほどの仕事量は、一部の人だけの悩みではありません。

1年のうち、持ち帰りが増える時期

持ち帰りには、毎日少しずつ続くものと、ある時期に一気に増えるものがあります。自分の園の行事予定と重ねてみると、いつ備えればよいかが見えてきます。

図1

  1. 3〜4月年間・月間の指導計画、新しいクラスの名前シールやロッカー表示、入園式の飾りつけ
  2. 5〜6月保育参観や個人面談の資料、梅雨の時期の壁面
  3. 9〜10月運動会の旗・看板・小道具、ダンスの振り付けと音源の準備
  4. 11〜12月発表会の衣装・小道具・台本、クリスマス会の飾りや出し物
  5. 1〜2月作品展や生活発表会の準備、次年度への引き継ぎ資料
  6. 3月保育要録、卒園式の掲示物やアルバム、1年間の個人記録のまとめ
図1 持ち帰りが増えやすい時期の例(4月始まりの園の場合)

時期が読めると、「11月は発表会があるから、10月のうちに壁面を簡単なものにしておく」のように、前倒しで調整する余地が生まれます。逆に、毎年同じ時期に同じ苦しさを繰り返しているなら、それは個人の段取りではなく、園の行事計画の問題です。

持ち帰りが当たり前になる3つのきっかけ

持ち帰りが減らない園には、いくつかの共通点があります。一つは、書類や制作の時間がシフトに組み込まれていないこと。二つ目は、特定の人に担当が偏っていること。手先が器用な人、頼まれると断らない人、若手に仕事が集まりやすい傾向があります。三つ目は「家でやるのが普通」という空気です。誰も指示していないのに、先輩が持ち帰っているから自分も持ち帰る。この空気がいちばん変えにくく、そして新しく入った人ほど飲み込まれやすいものです。

裏を返せば、持ち帰りが少ない園は、この3つのどれかを意識して変えている園です。書類の時間をシフトに入れる、担当を持ち回りにする、園長が「家でやらないで」と口に出して言う。どれも特別な設備は要りません。つまり持ち帰りは、園の決め方しだいで減らせる種類の負担だということです。

02持ち帰り仕事は労働時間にあたる?考えるときの手がかり

要点:持ち帰り仕事が労働時間にあたるかどうかは、個別の事情で判断されるため、一律には言えません。ただ、園の指示や締め切りの有無、勤務時間内に終わる量かどうかを確かめると、自分の状況を考える手がかりになります。

「持ち帰りは自分の判断でやっているのだから、労働時間ではない」と言われることがあります。一方で、園から締め切りを決めて頼まれ、勤務時間内に作業する時間がまったくないなら、実質的には仕事を家でさせられているのと変わりません。どちらに近いかを考えるために、次の点を確かめてみてください。

図2

  • 園長や主任から、その作業を頼まれた(指示された)か頼まれた作業か、自分で選んでやっている作業かは、考えるうえでの大きな分かれ目です
  • 締め切りや提出日が決められているか期日があり勤務時間内に終わらないなら、持ち帰る以外に方法がない状態です
  • 勤務時間内に、その作業をする時間が確保されているか時間がまったく用意されていないなら、仕事量と時間の配分に無理があります
  • 持ち帰らないと注意される、評価が下がると言われたか実質的に持ち帰りを求められている状況かどうかを考える材料になります
  • 園の書類や子どもの個人情報を家に持ち出しているか持ち出しのルールが決められていることもあり、自分を守るためにも確認が必要です
  • 自分の楽しみや学びとして、自由にやっている部分があるか自分で選んでいる練習や工夫と、頼まれた業務とを分けて考えます
図2 持ち帰りの状況を確かめる手がかり

この確認で「頼まれた」「締め切りがある」「時間がない」に当てはまるなら、持ち帰りを個人の努力として片付けるのは無理があります。法律では、労働時間は原則1日8時間・週40時間までとされ、これを超えて働かせるには36協定の締結と届出が必要です[3][4]。持ち帰り分を含めると、実際の労働時間はどのくらいになるのか。記録を付けると、その数字が見えてきます。

ただし、最終的な判断は個別の事情によります。自分の場合はどうなのかを知りたいときは、各都道府県の労働局や労働基準監督署などにある総合労働相談コーナーで、無料・予約不要で相談できます[5]。平日の夜や土日に電話で聞きたい場合は、労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610)も使えます[6]。窓口の選び方は労働条件の相談窓口の選び方に、残業代を請求する場合の考え方はサービス残業・残業代が出ないときの記録と相談先にまとめています。

「選んだ持ち帰り」と「頼まれた持ち帰り」を分けておく

持ち帰りの中には、自分で選んでやっているものもあります。新しい手遊びを覚える、次の製作のアイデアを本で探す、といった時間です。こうした時間まで一律に「やめるべき」と考える必要はありません。

困るのは、二つが混ざって区別がつかなくなることです。「好きでやっているんでしょう」と言われると、頼まれた作業まで自分の趣味のように扱われてしまいます。記録を付けるときは、頼まれた作業と自分で選んだ作業を別の欄に書いておきましょう。相談の場で示すのは、頼まれた作業の時間だけで十分です。そのほうが、話の筋もぶれません。

子どもの写真や名前が入った書類、個人記録などを家に持ち帰ることは、紛失や情報漏れにつながるおそれがあります。園によっては就業規則などで持ち出しのルールを決めているので、一度確認しておきましょう。「個人情報を持ち出せないので、この書類は園で書く時間がほしい」という伝え方は、持ち帰りを減らす相談のきっかけにもなります。

03まず1か月、持ち帰りを「見える化」する

要点:持ち帰りを減らす相談をする前に、何を、いつ、何分持ち帰ったかを1か月記録します。気持ちではなく時間で伝えられると、園も対策を考えやすくなります。

持ち帰りは家でやるため、本人以外の誰にも見えていません。園長や主任が「そんなに持ち帰っているとは知らなかった」と驚くことも珍しくありません。だからこそ、相談の前に記録を付けて、見えない時間を見える形にします。

記録するのは、日付、持ち帰った作業、かかった時間、その作業の締め切り、頼んだ人の5つです。同じ1か月の記録でも、書き方によって伝わり方は大きく変わります。

図3

項目伝わりにくい記録伝わる記録
作業の内容「家で仕事した」「12月の壁面(雪だるま)の部品づくり」
時間「夜遅くまで」「21:00〜22:30(90分)」
締め切り書いていない「誕生会の前日まで」
頼まれた経緯書いていない「主任から『今月もよろしく』と依頼」
1か月の合計「たぶん毎日」「持ち帰り14日、合計約23時間」
図3 伝わりにくい記録と、伝わる記録の違い

1か月の合計が出たら、それを月の勤務日数で割ってみてください。たとえば23時間を20日で割ると、1日あたり1時間以上になります。「毎日1時間以上、勤務時間の外で仕事をしている」という事実は、相談するときの強い材料になります。

記録は、相談のためだけのものではありません。続けていると、「月案の締め切り前の週に持ち帰りが集中している」「壁面は毎回2時間以上かかっている」のように、自分の負担の偏りが見えてきます。偏りが分かれば、どこから減らせばよいかの見当もつきます。

記録は、園の書類やパソコンではなく、自分の手帳やスマートフォンに付けます。子どもの名前は書かず、「個人記録5人分」「壁面の部品」のように作業の種類と量だけを残してください。記録を付けること自体が負担にならないよう、寝る前に1行書くだけで十分です。1か月続かなくても、2週間分あれば相談の材料としては使えます。

04角を立てずに持ち帰りを断る・減らす伝え方

要点:持ち帰りは「できません」と突っぱねるより、「勤務時間内でやるにはどうすればよいか」を一緒に考える形で伝えると、関係を壊さずに減らせます。新しく頼まれたときは、その場で全部を引き受けず、期限や量の調整を申し出ることから始めます。

断ることに罪悪感を持つ保育士は多いものです。子どものための仕事だと思うと、なおさら断りにくくなります。けれど、断ることと、子どものための仕事を大切にすることは矛盾しません。勤務時間内にできる形に整えることも、立派な責任の果たし方です。

図4

その仕事は、勤務時間内に終わる量か

  1. そのまま引き受ける勤務時間内に終わる量で、期限にも無理がない場合
  2. 期限を延ばしてもらう量は妥当だが、締め切りが近すぎて持ち帰らないと間に合わない場合
  3. 一部だけ引き受ける全部は無理でも、自分が得意な部分や短時間でできる部分なら担える場合
  4. 誰かと分ける同じクラスや学年の職員と分担すれば、勤務時間内に収まる場合
  5. 今回は断るすでに持ち帰りが続いていて、これ以上は生活や体調に響く場合
図4 新しく仕事を頼まれたときの受け方

場面1:主任から新しい制作物を頼まれたとき

その場で「はい」と言う前に、勤務時間内のどこでやれるかを一緒に確認します。

「分かりました。ただ、今週は月案の締め切りもあって、園の時間だけだと難しそうです。来週の午睡の時間に作業してもいいですか。それとも、締め切りを少し延ばしていただけますか。」

ポイントは、断るのではなく「時間をどこで取るか」を質問の形で返すことです。相手に選んでもらう形にすると、押し返された印象が弱くなります。

場面2:行事の制作を一人で任されそうなとき

行事の制作物は量が多く、一人で抱えると持ち帰りがほぼ避けられません。分担を提案するのが現実的です。

「衣装づくり、去年は家での作業が合計20時間くらいになってしまいました。今年はクラスの先生と半分ずつに分けて、子どもと一緒に作れる部分は保育の時間に入れたいのですが、どうでしょうか。」

前年の数字があると、無理なお願いではなく、実態に基づく提案として聞いてもらえます。行事準備の減らし方は制作物・行事準備の負担を減らす工夫も参考になります。

場面3:園長に、持ち帰りそのものを相談するとき

記録がまとまったら、園長や主任に時間を取ってもらいます。伝えるのは、事実、困っていること、お願いの3つです。

「先月、家で仕事をした日が14日、合計で23時間ほどありました。子どもの記録を家に持ち帰るのも不安です。週に1回、30分でいいので、園で書類をする時間をいただけないでしょうか。」

お願いは一つに絞ります。「全部なくしてほしい」ではなく、「週1回30分」のように小さく具体的にすると、園も試しやすくなります。一度通れば、そこから少しずつ広げていけます。

伝えるときに避けたい言い方

同じお願いでも、言い方ひとつで相手の受け取り方は変わります。次のような言い方は、気持ちは分かっても、話がこじれやすくなります。

  • 「私ばかり大変なんです」:ほかの職員と比べる言い方は、責められていると感じさせやすくなります
  • 「もう無理です」だけで終わる:気持ちは伝わっても、相手は何を変えればよいか分かりません
  • 「〇〇先生は持ち帰っていないのに」:特定の人の名前を出すと、話が人間関係の問題にすり替わります
  • 忙しい時間帯に立ち話で切り出す:行事前や降園時など、相手に余裕がないときは避けます

伝えたいのは「誰が悪いか」ではなく「時間をどう配分するか」です。数字と、具体的なお願いと、子どもや保育のためにもなる理由。この3つがそろっていれば、言い方に自信がなくても、話は前に進みやすくなります。

05相談事例:家での作業を、園の30分に置き換えた

要点:ここでは、持ち帰りの記録をもとに、勤務時間内に作業の時間を作ってもらったモデルケースを紹介します。何を記録し、どんな順番で話を進めたかを追ってみてください。

毎晩の持ち帰りが、月2回に変わるまで

相談事例(モデルケース)

お名前
まこさん(仮名)・27歳
保育士歴
6年目
勤務先
幼保連携型認定こども園(定員約150名)、3歳児クラス担任
変化
持ち帰り 週5日・月約25時間 → 月2回・約3時間

編集部当時の持ち帰りは、どのくらいでしたか。

まこさん

平日はほぼ毎晩、1時間くらい。壁面と個人記録と、3歳児は製作が多いので見本づくりもあって。一人暮らしなので、誰にも止められないんですよね。気づいたら日曜も半日つぶれていて、友達との約束を2回続けて断ったとき、さすがにおかしいなと思いました。

編集部相談しようと決めたきっかけは何でしたか。

まこさん

1か月だけ記録してみたんです。合計したら25時間くらいあって、自分でも引きました。しかも半分以上が壁面と見本づくりで、書類じゃなかった。それなら園で時間をもらえるかもしれないって、少し希望が持てたんです。

編集部園にはどう伝えましたか。

まこさん

主任に表を見せて、お願いは一つだけにしました。「3歳児の担任3人で、午睡の時間に交代で30分ずつ作業の時間を取らせてください」って。午睡チェックは残りの2人で見られるので、安全面も大丈夫だと思いますと添えました。断られると思っていたので、主任が「それ、ほかのクラスでもやろう」と言ってくれたときは、ちょっと泣きそうでした。

編集部壁面はどうなりましたか。

まこさん

毎月作り替えていたのを、季節ごとの年4回にしてもらいました。子どもが描いた絵を貼る形にしたら、保護者の方の反応もむしろよくなって。見本づくりも、学年で一つ作って共有するようにしたんです。

断ったら迷惑をかけると思っていたけど、時間の使い方を変えたら、誰も困らなかったんです。

まこさん(仮名)

まこさんの園では、その後、3歳児以外のクラスでも午睡の時間に交代で作業する時間が取られるようになりました。まこさんの持ち帰りは月に2回、合計3時間ほどに減り、週末は友人と出かけられるようになったそうです。

このケースのポイントは、「持ち帰りをやめたい」ではなく「この30分をください」と、具体的な時間をお願いしたことです。記録で負担の中身を確かめたからこそ、書類ではなく制作物から手を付けるという判断ができました。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

相談前相談後

持ち帰りの日数(月)

約20日
2日

持ち帰りの時間(月)

約25時間
約3時間

壁面の作り替え

毎月
年4回

休日の仕事

月4回ほど
なし
図5 まこさんの持ち帰りの変化

06持ち帰りが減らない園で、自分を守るために

要点:相談しても持ち帰りが減らない園もあります。そのときは、引き受ける量に自分で上限を決めることと、体と生活を守ることを優先してください。それでも変わらないなら、職場を変えることも十分に考えてよい選択肢です。

引き受ける量に、自分で上限を決める

園の仕組みが変わらないときは、自分の側で線を引くしかありません。「平日は持ち帰らない」「持ち帰るのは週1回、1時間まで」のように、自分のルールを決めておきます。ルールがあると、頼まれたときに「今週はもう枠がいっぱいで」と伝えやすくなります。すべてを完璧に仕上げることより、続けられる働き方を選ぶほうが、結果的に子どもの前で笑顔でいられます。

もう一つの方法は、休む予定を先に入れてしまうことです。家族との夕食、友人との約束、何もしない日曜の午前。予定が空いていると、そこに持ち帰りが流れ込みます。先に予定を書き込んでおけば、「その日は無理です」と言える理由ができます。休むことを後回しにしない仕組みを、自分の手帳の中に作っておくのです。

体と生活に出ているサインを見逃さない

持ち帰りが続くと、睡眠時間が削られ、休日の疲れが取れなくなります。朝起きるのがつらい、休日も仕事のことばかり考えてしまう、といった状態が続いているなら、それは働き方を変えるサインです。心身の不調があるときは受診を考えてください。働く人の悩みは、厚生労働省の「こころの耳電話相談」(0120-565-455)でも相談できます[7]。

職場を変えるときは、持ち帰りの実態を確かめてから

今の園で変わらないなら、持ち帰りの少ない職場を探すのも一つの方法です。ただし、求人票に「持ち帰りなし」と書かれていても、行事前には持ち帰りが発生する園もあります。見学や面接で、書類を書く時間がシフトにあるか、行事の制作物をどう分担しているかを確かめてください。持ち帰りのない求人の探し方は持ち帰りなしの求人を探すときのポイントで紹介しています。残業全体の構造と減らし方は保育士の残業が多い理由と減らし方にまとめています。

持ち帰りの悩みは、家族や友人には伝わりにくく、園の中でも話しにくいものです。ほいくの相談室では、転職を決めていなくても、持ち帰りの記録を一緒に見ながら、今の園で何を相談できるかを考えるところから話を聞いています。

よくある質問

持ち帰り仕事を断ったら、評価が下がりませんか?

断り方によって受け取られ方は変わります。「できません」とだけ伝えるより、「勤務時間内のこの時間なら取り組めます」と代わりの案を添えると、仕事に前向きな姿勢が伝わります。それでも評価で不利に扱われるようなら、園の外の相談窓口で状況を話してみてください。

新人でも持ち帰りの相談をしていいのでしょうか?

新人だからこそ、早めに相談してよいことです。仕事に慣れていない時期は、書類に時間がかかるのは自然なことです。「書き方のこつを教えてほしい」「先輩の記録を見本として見せてほしい」とお願いする形なら、相談しやすくなります。

持ち帰った分の残業代は請求できますか?

持ち帰りが労働時間にあたるかどうかは個別の事情で判断されるため、一律には言えません。請求を考えるなら、作業内容・時間・指示の有無を記録し、総合労働相談コーナーなどの無料窓口で、記録を見せながら相談するのが確実です[5]。

家族に持ち帰りのことで心配されています。どう説明すればいいですか?

1か月の記録を見せながら、「今こういう状況で、園にこう相談しようと思っている」と伝えると、家族も状況をつかみやすくなります。家族の心配は、働き方を見直すきっかけとして受け止めてよいサインです。

壁面や制作物を家で作るのが好きな場合は、どう考えればいいですか?

自分で楽しんで取り組んでいる部分まで、無理にやめる必要はありません。ただ、その時間が当たり前になると、ほかの職員にも同じ水準が求められることがあります。好きでやる部分と、業務として頼まれた部分を分けて考え、業務は勤務時間内でできる形を目指してください。

持ち帰りがまったくない園は、本当にあるのでしょうか?

書類を書く時間をシフトに組み込んでいる園や、ICTで記録の手間を減らしている園では、持ち帰りがほとんどないこともあります。ただし行事前だけは発生する園もあるため、「持ち帰りなし」という言葉だけで判断せず、見学や面接で行事前の様子まで確かめると安心です。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  3. 厚生労働省 FAQ「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」
  4. 確かめよう労働条件「時間外・休日労働と割増賃金」
  5. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  6. 確かめよう労働条件「労働条件相談ほっとライン」
  7. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

ほいくの相談室

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持ち帰りや残業の負担を、今の園で変えられるのか、環境を変えたほうがいいのか、一緒に整理します。

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