保育士が働きやすい園の見分け方|ホワイト保育園の6つの特徴

寝る前に求人サイトを開くと、「アットホームな職場です」「残業ほぼなし」「働きやすさ抜群」という言葉がずらりと並びます。どれも良さそうに見えるのに、どれも同じに見える。以前、求人の言葉を信じて入った園で「話が違う」と感じたことがあるなら、なおさら決められなくなります。

働きやすい園を選びたいという気持ちは、わがままではありません。1日の大半を過ごす場所で、子どもと落ち着いて向き合えるかどうかは、保育の質にもつながります。ただ、「働きやすい」は求人の言葉だけでは測れません。測るには、自分なりの物差しと、それを確かめる順番が必要です。

この記事では、働きやすい園、いわゆるホワイトな保育園に共通する特徴を6つに整理し、それを求人票・園見学・面接のどこで、どう確かめるかをまとめました。求人選びの入り口として、細かい確認方法を書いた記事にもつないでいます。

この記事でわかること

  • 「働きやすい園」を自分の言葉で決めるための4つの視点
  • ホワイトな保育園に共通する6つの特徴と、その理由
  • 求人票・園見学・面接の3段階で、同じ特徴を確かめる方法
  • 公的な調査から分かる、保育士が職場に求めていること
  • 見極めの限界と、迷ったときの考え方

結論

保育士が働きやすい園を見分けるには、「仕事が勤務時間の中で終わる仕組みがあるか」と「人が辞めにくく、相談できる関係があるか」の2点を、求人票・園見学・面接の3段階で確かめるのが近道です。求人票の「アットホーム」「残業少なめ」といった言葉だけでは判断できないため、書類の時間(ノンコンタクトタイム)、休憩の取り方、職員の入れ替わり、有給の取りやすさを、見学では目で見て、面接では数字で聞きます。3つの段階で聞いた答えが食い違わない園ほど、入職後の「こんなはずじゃなかった」が起きにくくなります。

01「働きやすい」の中身を、先に自分で決めておく

要点:働きやすさは人によって違います。「時間」「人」「お金」「保育の考え方」の4つの視点で、自分が何を一番大事にしたいかを先に決めると、求人の言葉に振り回されにくくなります。

同じ園でも、ある人には働きやすく、別の人にはつらい場所になります。たとえば、行事を大切にして毎月のように制作がある園は、制作が好きな人にとってはやりがいのある職場です。一方で、子育て中で18時には園を出たい人にとっては、行事前の残業が重い負担になります。どちらが正しいという話ではありません。

だからこそ、求人を見る前に「自分にとっての働きやすさ」を言葉にしておくことが出発点になります。次の4つの視点で、今の職場で困っていること、次の職場で守りたいことを書き出してみてください。

図1

時間

定時に帰れるか、持ち帰りがないか、休憩が取れるか、早番・遅番の回数はどうか

園の仕組みで決まる

人

質問しやすいか、園長や主任が話を聞いてくれるか、職員の入れ替わりが少ないか

職員の関係で決まる

お金

基本給と手当の内訳、賞与、昇給、退職金、処遇改善の反映のされ方

書類と説明で分かる

保育の考え方

子どもへの関わり方、行事の量、記録の書き方、保護者との距離の取り方

見学で見えてくる

図1 「働きやすさ」を4つの視点に分ける

書き出したら、4つの中で「これだけは譲れない」ものに印をつけます。全部に印がつく人もいますが、そのときは「今の職場で一番つらいこと」の裏返しを最優先にすると決めやすくなります。持ち帰りがつらいなら「時間」、先輩の言い方がつらいなら「人」です。条件の絞り方は転職の希望条件に優先順位をつける方法でも紹介しています。

公的な調査でも、職場に求められていることは似ている

東京都が保育士を対象に行った調査では、今の職場で改善してほしい項目として、給与・賞与等の改善、職員数の増員、事務・雑務の軽減、職員間のコミュニケーション、勤務シフトの改善が上位に挙がっています[1]。

図2

現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%
職員間のコミュニケーション26.8%
勤務シフトの改善25.1%
図2 現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]

給与のほかに、人の数、書類、コミュニケーション、シフトが並んでいる点に目を向けてください。どれも園の「仕組み」と「関係」に関わるものです。働きやすい園かどうかは、給料の額だけでなく、仕事を回す仕組みと人の関係で大きく変わる、ということがこの結果からも読み取れます。

02ホワイトな保育園に共通する6つの特徴

要点:働きやすい園には、仕事が時間内に終わる仕組み、休憩と有給が実際に取れること、職員の定着、相談のしやすさ、条件の説明の明確さ、言葉になった保育方針という6つの共通点があります。

図3

  • 1

    書類や制作の時間が勤務時間内にある

    連絡帳、指導計画、壁面づくりをシフトの中で行う時間(ノンコンタクトタイム)が決まっている

  • 2

    休憩と有給が実態として取れる

    休憩中に連絡帳を書かずに済み、有給を取る日が前もって回ってくる

  • 3

    職員が定着している

    毎年のように担任や主任が入れ替わらず、5年、10年と働く職員がいる

  • 4

    質問や相談がしやすい

    新しい職員にも声をかける人がいて、ミスを責めるより原因を一緒に考える

  • 5

    労働条件の説明がはっきりしている

    給与の内訳、残業の扱い、休日の数を、聞けばすぐに数字で答えてくれる

  • 6

    保育の方針が言葉になっている

    「子どもをどう育てたいか」を、園長も職員も同じ言葉で話せる

図3 ホワイトな保育園に共通する6つの特徴

特徴1:仕事が勤務時間の中で終わる仕組みがある

保育士の仕事には、子どもと関わる時間のほかに、連絡帳、日誌、月案・週案、行事の準備、壁面づくりといった「子どもがいない時間にしかできない仕事」がたくさんあります。働きやすい園では、こうした仕事の時間をシフトの中に組み込んでいます。午睡中の1時間を交代で書類の時間にする、行事の制作は職員全員で分担する、記録をアプリで入力して手書きを減らす、といった工夫です。

国も現場の負担を減らすために、ICTの活用、保育補助者の活用、記録や書類の見直し、働き方の見直しの進め方をまとめたガイドラインを示しています[2]。登降園管理や保護者連絡などのICTのうち、いずれかの機能を入れている施設は8割を超えていますが、4つの機能をすべて入れている施設は1割ほどにとどまります[3]。ICTがあるかどうかだけでなく、それで書類の時間が実際に減っているかを見ることが大事です。

特徴2:休憩と有給が実際に取れる

法律では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与え、自由に利用させることになっています[4]。保育園では子どもから目を離せないため、休憩時間も連絡帳を書いている、子どもの横で食事をとる、という園が少なくありません。働きやすい園では休憩室があり、誰が何時から休憩に入るかがシフト表に書かれています。

有給休暇も同じです。年10日以上の有給休暇が付与される人には、園が年5日を取得させる義務があります[5]。これはあくまで最低限のラインで、働きやすい園では、年度の初めに有給を取る日を職員で調整したり、行事のない時期にまとめて取れるようにしたりしています。

特徴3:職員が定着している

同じ職員が長く働いている園は、仕事のやり方が共有されていて、新しく入った人に教える余裕があります。反対に、毎年のように担任や主任が入れ替わる園では、引き継ぎが追いつかず、残った職員に仕事が集まりがちです。離職率をそのまま公開している園は多くないため、見学や面接で「勤続年数の長い先生はいらっしゃいますか」「昨年度は何人が入って、何人が退職されましたか」と聞いて確かめます。数字の聞き方と読み方は離職率や職員の年齢層を確かめる方法にまとめています。

特徴4:質問や相談がしやすい

保育士を辞めた理由として最も多かったのは職場の人間関係だった、という調査結果もあります[6]。人間関係の良し悪しは求人票からは分かりません。それでも、見学のときの職員どうしの声のかけ方、園長が職員を呼ぶときの言い方、困っている若手の先生を見て誰が動くかを見ると、手がかりがつかめます。

特徴5:労働条件の説明がはっきりしている

求人では、業務内容、就業場所、就業時間・休憩・休日、時間外労働の有無、賃金(固定残業代がある場合はその内訳)、加入保険などを、原則として最初の面接などまでにすべて明示することになっています[7]。働きやすい園は、こうした条件を聞かれる前から書面で示し、質問にも数字で答えます。「入ってから説明します」「だいたいみんな大丈夫ですよ」で済ませる園は、入職後の説明も同じ調子になりがちです。

特徴6:保育の方針が言葉になっている

意外に見落とされやすいのが保育の方針です。方針があいまいな園では、行事の量や子どもへの関わり方が、その年の園長や主任の考えで大きく揺れます。揺れるたびに、現場の保育士はやり方を変えなければなりません。働きやすい園では、園長も職員も「うちの園はこういう保育を大切にしています」と同じ言葉で説明できます。見学のときに案内の先生と面接の園長に同じ質問をして、答えがそろうかを見てみてください。

03求人票・見学・面接の3段階で、同じことを違う角度から確かめる

要点:6つの特徴は、1つの場面だけでは確かめきれません。求人票で「書いてあるか」、見学で「そう見えるか」、面接で「数字で答えられるか」を順に確かめ、3つが食い違わないかを見ます。

図4

  1. 求人票で絞る条件の書き方が具体的か、固定残業代や年間休日の数がはっきり書かれているかを見る
  2. 見学で確かめる職員の表情、声のかけ方、書類の置き場所、休憩の取り方を自分の目で見る
  3. 面接で数字を聞く残業時間、有給の取得日数、昨年度の退職者数を具体的に聞く
  4. 答え合わせをする3つの段階で見聞きしたことが食い違っていないかを、メモを並べて確かめる
図4 働きやすい園を見分ける3段階と答え合わせ

図5

特徴求人票で見ること見学で見ること面接で聞くこと
時間内に終わる仕組み残業の有無と月の平均時間午睡中の職員の動き、書類を書く場所行事前の月の残業時間
休憩と有給休憩時間の記載、年間休日数休憩室の有無、交代の様子昨年度の有給の平均取得日数
職員の定着一年中出ている求人かどうかベテランと若手の割合昨年度の入職者数と退職者数
相談のしやすさ求人票ではほぼ分からない職員どうしの声かけ、園長の話し方新しい職員を誰がフォローするか
条件の説明給与の内訳、手当がつく条件案内の先生が条件の質問に答えられるか条件を書面で示してもらえる時期
保育の方針理念が具体的な言葉で書かれているか子どもへの言葉かけ、掲示物園として大切にしている保育
図5 6つの特徴をどの段階で確かめるか

求人票では「言葉」より「数字と内訳」を見る

求人票は、園が一番よく見せたい形で書いたものです。だからこそ、「アットホーム」「やりがい」といった言葉より、数字と内訳に目を向けます。月給の中に固定残業代が含まれていないか、手当はどんな条件でつくのか、年間休日は何日か。2024年4月からは、求人の段階で業務や就業場所の「変更の範囲」も示すことになりました[8]。法人が複数の園を運営している場合は、異動の可能性がどこまであるかもここで確かめられます。項目ごとの見方は求人票の見るポイントと確認項目で詳しく紹介しています。

見学では「子ども」と同じくらい「大人」を見る

見学では、どうしても子どもの様子や園舎のきれいさに目が行きます。働きやすさを見たいなら、大人の様子にも同じくらい注意を向けます。職員どうしが目を合わせて声をかけているか、保育中に大きな声で指示が飛んでいないか、事務室の机に書類が積み上がっていないか。具体的なチェック項目は園見学のチェックリストにまとめました。

面接では「はい・いいえ」で終わらない聞き方をする

「残業はありますか」と聞けば、多くの園は「ほとんどありません」と答えます。働きやすさを確かめたいなら、「行事の前の月は、残業が何時間くらいになりますか」「昨年度、有給を一番多く取った方と一番少なかった方は、それぞれ何日くらいでしたか」のように、数字が返ってくる聞き方をします。質問の例は面接で職場環境を確かめる質問リストで紹介しています。

反対に、避けたい園に共通するサインを先に知っておきたい人は、ブラックな保育園に共通する特徴と見分け方もあわせて読むと、両側から園を見られるようになります。

04内定を受ける前に確かめたい、働きやすさの最終チェック

要点:3段階で集めた情報を、内定を受ける前に一度並べて見直します。次の10項目のうち、自分の「譲れない条件」に関わる項目が確かめられていないなら、返事をする前に聞いておきます。

見学と面接を終えるころには、園の印象がかなり固まっています。「いい雰囲気だった」という印象は大切ですが、印象だけで決めると、入職後に条件のずれに気づくことがあります。内定の連絡を受けたら、返事をする前に次の項目を一つずつ見直してください。

図6

  • 書類の時間がシフトの中にあるか持ち帰りが続くかどうかは、この仕組みで大きく変わります
  • 休憩をどこで、何分取れるか休憩中も連絡帳を書く園では、実際の拘束時間が長くなります
  • 行事前の月の残業時間を数字で聞けたか「少なめ」ではなく、月何時間かで比べないと判断できません
  • 有給の取得日数を数字で聞けたか年5日の義務を超えて、実際に取れているかを確かめます
  • 昨年度の入職者数と退職者数を聞けたか毎年半数近くが入れ替わる園は、引き継ぎの負担が大きくなります
  • 勤続年数の長い職員がいるか長く働く人がいる園は、仕事のやり方が共有されています
  • 給与の内訳と固定残業代の有無が分かったか月給の額が同じでも、基本給と手当の中身で手取りや賞与が変わります
  • 異動の可能性と範囲を確かめたか複数の園を運営する法人では、入った園で働き続けられるとは限りません
  • 担当クラスの予定を聞いたか乳児か幼児か、加配の有無で、仕事の内容と負担が変わります
  • 見学と面接の説明が食い違っていないか食い違いがあるなら、どちらが実態に近いかを確かめる必要があります
図6 内定前に見直す、働きやすさの確認リスト

確かめきれなかった項目があっても、内定を受けたあとに聞いてはいけないわけではありません。むしろ、労働条件は入職の前に書面で受け取るものです。2024年4月からは、労働契約を結ぶときに、就業場所と業務の「変更の範囲」も示すことが必要になりました[9]。受け取った労働条件通知書が、求人票や面接での説明と違っていないかを見比べ、違う点があれば入職前に確認します。明示された条件が実際と違う場合、働く人は労働契約をすぐに解除できると法律で定められていますが[10]、そこに至る前に気づけるほうがずっと負担は小さくて済みます。

05相談事例:「残業ゼロ」より大事なものに気づいた

要点:ここでは、働きやすさの物差しを自分で決め直したことで、園選びの軸がはっきりしたモデルケースを紹介します。

求人の「残業なし」を追いかけるのをやめた

相談事例(モデルケース)

お名前
あずささん(仮名)・29歳
保育士歴
7年目(相談当時)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約120名)、4歳児クラス担任
変化
持ち帰り 週2〜3日 → 月1回程度、気軽に質問できる相手 0人 → 2人

編集部相談に来たとき、どんな求人を探していましたか。

あずささん

とにかく「残業なし」って書いてある求人ばかり見ていました。前の年の運動会と発表会の準備で、毎日20時近くまで残っていたので。残業さえなければ楽になる、って思い込んでいたんです。

編集部4つの視点で書き出してみて、何か変わりましたか。

あずささん

書いてみたら、一番つらかったのは残業そのものより、分からないことを誰にも聞けないことでした。主任はいつも忙しそうで、同じクラスの先生は異動してきたばかり。指導計画の書き方も毎回一人で悩んで、結局家に持ち帰っていたんです。自分でも、ちょっと拍子抜けしました。

編集部それで、園の見方はどう変わりましたか。

あずささん

見学では、子どもより先に先生たちを見るようにしました。2つ目に見学した園で、若い先生が「これってどうしたらいいですか」と聞いたら、近くにいたベテランの先生が手を止めて答えていたんです。その場面を見て、ここなら聞けるかもしれない、って思いました。

編集部面接では何を確かめましたか。

あずささん

「指導計画は、どなたがどのくらい見てくださいますか」と聞きました。そうしたら、月案はクラスリーダーと一緒に書く時間を毎月2回取っていると、具体的に教えてくれて。求人票には「残業月10時間程度」とあってゼロではなかったんですけど、中身を聞いたら納得できました。

残業ゼロの園を探していたつもりが、本当は「一人で抱えなくていい園」を探していたんだと分かりました。

あずささん(仮名)

あずささんはその園に転職し、半年がたちました。書類は午睡中に交代で書く時間があり、持ち帰りは行事前の月に1回ある程度になったそうです。困ったときに声をかけられる相手は、同じクラスのリーダーと主任の2人。「求人票だけで選んでいたら、たぶん候補に入れなかった園です」と話しています。

このケースから持ち帰れるのは、働きやすさの物差しは、書き出してみると最初に思っていたものと違うことがある、という点です。物差しが変わると、見学で見る場所も、面接で聞く質問も変わります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図7

転職前転職後

持ち帰り仕事

週2〜3日
月1回程度

行事前の月の退勤時刻

20時近く
18時半ごろ

気軽に質問できる相手

0人
2人
図7 あずささんの働き方の変化(モデルケース)

06働きやすい園選びの、正直な限界

要点:どれだけ丁寧に確かめても、入る前にすべてを知ることはできません。働きやすさは、園長や職員の入れ替わりで変わることもあります。確かめ方と同じくらい、合わなかったときの考え方を持っておくことが支えになります。

1. 見学と面接で見えるのは、園の「よそ行きの顔」

見学の日は、園も外の人を迎える準備をしています。職員の言葉づかいも、いつもより丁寧かもしれません。だから、1回の見学だけで「ここは大丈夫」と決めつけないことです。可能なら時間帯を変えてもう一度見せてもらう、夕方の延長保育の時間帯に園の前を通ってみる、といった方法で、ふだんの様子に近づく工夫ができます。

2. 働きやすさは、ずっと同じではない

園長が代わる、主任が辞める、定員が増える。こうした変化で、働きやすかった園の空気が変わることは珍しくありません。一方で、保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を大きく上回っていて[11]、保育士は職場を選び直しやすい立場にあります。一度選んだ園が合わなくなったら、また選び直せばいい。そう考えておくと、園選びの重圧は少し軽くなります。

3. 6つ全部がそろう園を探すと、決められなくなる

6つの特徴をすべて満たす園は、そう多くありません。最初に決めた「譲れない1〜2つ」を満たしていれば、ほかの部分は入ってから少しずつ整えていく、という考え方も現実的です。満点の園を探し続けて今の職場で消耗し続けるより、合格点の園で働き始めるほうが、結果として自分を守れることもあります。

一人で求人を見比べていると、どれも同じに見えてきて疲れてしまいます。そんなときは、誰かに話しながら条件を並べ直してみてください。口に出すと、自分が本当に大事にしたいことが思いのほかはっきり浮かび上がってきます。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、「自分にとっての働きやすさ」を言葉にするところから一緒に考えています。

よくある質問

ホワイトな保育園は、公立と私立のどちらに多いですか?

公立か私立かだけでは決まりません。常勤保育士の離職率は公営5.9%、私営10.7%という平成29年の調査がありますが[12]、同じ私立でも園ごとの差は大きいものです。運営主体よりも、6つの特徴に当てはまるかどうかで見るほうが確実です。

「アットホームな職場」と書かれた求人は避けたほうがいいですか?

その言葉だけで避ける必要はありません。ただ、具体的な条件の代わりにその言葉が使われているなら注意が必要です。言葉の裏づけとして、職員の勤続年数や有給の取得日数を面接で聞いてみてください。

見学をさせてくれない園は、働きにくい園ですか?

行事の直前や感染症が流行している時期など、見学を断る事情がある場合もあります。時期をずらしてお願いしても、理由の説明がないまま見学ができないときは、慎重に考えたほうが安心です。

小規模な園と大きな園では、どちらが働きやすいですか?

どちらにも良さがあります。小規模な園は職員の顔が見えやすく、大きな園は人数に余裕があって休みを調整しやすいことが多いです。自分の物差しで「時間」と「人」のどちらを重く見るかによって、合う規模は変わります。

今の園を辞める前に、働きやすい園を探し始めてもいいですか?

在職中に探し始める人は多くいます。見学や面接の日程は、休みの日や有給を使って調整することになりますが、収入が途切れない分、焦らずに比べられるのが利点です。今の園の何がつらいのかを書き出しておくと、比べる軸がぶれにくくなります。

働きやすい園は、すぐに求人が埋まってしまいますか?

職員が定着している園は、求人を出す回数そのものが少なくなりがちです。気になる園があれば、求人が出ていない時期でも見学ができるかを問い合わせておくと、募集が出たときに動きやすくなります。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  2. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  3. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  4. e-Gov法令検索「労働基準法」
  5. 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
  6. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  7. 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
  8. 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
  9. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  10. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
  11. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  12. 厚労省「保育士の現状と主な取組」(2020年8月24日 検討会参考資料1)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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