40代保育士が辞めたい時|転職で失敗しない準備と求人の探し方

求人サイトの応募フォームで、年齢の欄に「44」と打ち込む。送信ボタンの上で、指が止まります。去年、同じ年ごろの同僚が転職したものの、半年で戻ってきたと聞いた。「聞いていた話と違った」と言っていた。自分も同じことになったらどうしよう。そう思うと、今の園のつらさを我慢するほうが楽な気がしてきます。

40代の「辞めたい」には、20代や30代とは違う重さがあります。次で失敗したら、もう後がないのではないか。子どもの学費や住宅のローン、親のこともある。体力も以前とは違う。だからこそ、勢いで動くことも、動かずに我慢し続けることも、どちらも怖くなります。

ただ、40代の転職で起きる失敗の多くは、事前の準備と確かめ方で防げるものです。この記事では、40代の保育士が転職でつまずきやすいところを先に整理し、そのうえで、失敗しないための準備と、求人の探し方、書面で確かめる項目を順番にまとめました。

この記事でわかること

  • 40代の保育士が転職で失敗しやすい5つのパターン
  • 失敗を防ぐために、応募の前に書き出しておく3つのこと
  • 求人の探し方5つの違いと、40代に合う使い分け
  • 求人票と労働条件通知書で、必ず照らし合わせたい項目

結論

保育士を辞めたい40代が転職で失敗しないためには、応募の前に「辞めたい理由」「これからの10年の暮らし」「譲れない条件」の3つを書き出し、求人票と労働条件通知書で条件を書面で確かめることが欠かせません。40代の転職でよくある失敗は、給与の高さだけで決める、体力に合わない配置を受け入れる、聞いていた条件と実際が違う、といったものです。保育士の平均年齢は40.3歳で[1]、40代は現場の中心となる年代です。求人の探し方は、転職サービス、ハローワーク、保育士・保育所支援センター、法人への直接応募などを組み合わせ、焦らずに比べることで、40代でも納得できる転職ができます。

0140代の保育士が、転職でつまずきやすい5つのパターン

要点:40代の転職の失敗は、給与だけで選ぶ、体力に合わない配置、役割への期待のずれ、条件の食い違い、やり方の違いへの戸惑いの5つに集約されます。どれも、事前に知っておけば避けられるものです。

失敗しない転職を考えるとき、まず「どんな失敗が起きやすいか」を知っておくと、準備の的が絞れます。40代の保育士の方から実際によく聞くのは、次の5つです。

図1

  • 1

    給与の高さだけで決める

    月給は上がったが、持ち帰りや行事が増え、時給に直すと前より低くなった

  • 2

    体力に合わない配置

    入職してみたら0歳児クラスの担任で、抱っこと早番が続き腰を痛めた

  • 3

    役割への期待のずれ

    「ベテランだから」と、入職すぐに主任候補やリーダーを任された

  • 4

    条件の食い違い

    面接で聞いた勤務時間や異動の有無が、労働条件通知書と違っていた

  • 5

    やり方の違いへの戸惑い

    前の園で20年続けたやり方が通じず、年下の先輩に毎日注意される

図1 40代の保育士が転職でつまずきやすい5つのパターン

失敗の多くは「確かめなかったこと」から生まれる

5つを並べると、共通点が見えてきます。どれも、入職してから初めて知ったことが原因です。給与の高さに目を奪われて持ち帰りの有無を聞かなかった、担当クラスを確かめずに承諾した、面接で口頭で聞いた話を書面で確認しなかった。40代の転職は、20代のように「合わなければまた移ればいい」と割り切りにくいぶん、入る前に確かめる手間を惜しまないことが、一番の失敗対策になります。

年齢そのものより、準備の差が結果を分ける

「40代だから採用されないのでは」と心配する人は多いのですが、保育士の平均年齢は40.3歳です[1]。40代は、保育の現場ではむしろ中心にいる年代です。採用されるかどうかより、採用されたあとに「ここでよかった」と思えるかどうか。40代の転職の成否は、そこで分かれます。年代を問わない辞めたい気持ちの整理から始めたい人は、ベテラン保育士が辞めたいときの働き方の変え方もあわせてどうぞ。

「辞めたい」と「転職したい」は、いったん分けて考える

40代で辞めたいと感じたとき、すぐに転職先を探し始める人がいます。けれども、辞めたい気持ちの中には、休めば戻るもの、今の園で相談すれば変わるもの、環境を変えないと解決しないものが混ざっています。たとえば、行事前の1か月だけ持ち帰りが増えてつらいのなら、行事の分担を見直してもらうだけで済むかもしれません。一方で、園長の方針そのものが合わないなら、園を変えないと解決しにくいでしょう。転職は、「環境を変えないと解決しないもの」が残ったときの手段です。この区別をつけてから動くと、転職先に求めるものもはっきりします。

02失敗を防ぐ準備は、3つの書き出しから

要点:応募の前に、「辞めたい理由」「これからの10年の暮らし」「譲れない条件と妥協できる条件」の3つを紙に書き出します。この3つがそろうと、求人を見る目が定まり、条件の良さそうな求人に流されにくくなります。

書き出し1:辞めたい理由を、場面で書く

「人間関係が悪い」「忙しい」のようなまとめた言葉ではなく、場面で書きます。「園長が変わってから、行事の準備が勤務時間外に回されるようになった」「午睡中も書類を書いていて休憩が取れない」。場面で書くと、次の職場で何を確かめればよいかがそのまま見えてきます。

  • 例:「行事の準備が勤務時間外に回される」→ 次の職場では、行事の準備をいつ行うかを見学で聞く
  • 例:「午睡中も書類で休憩が取れない」→ 休憩の取り方と、書類を書く時間の確保を面接で確かめる
  • 例:「遅番が週3回あり、子どもの夕食に間に合わない」→ 遅番の回数の決め方を確かめる

書き出し2:これからの10年の暮らしを、年表にする

40代の転職は、この先10年ほどの暮らしと重ねて考える必要があります。子どもの進学、親の通院や介護、自分の体調。年ごとに起きそうなことを書き出すと、「3年後には親の付き添いで平日休みがほしくなる」「子どもが高校に上がるまでは遅番を減らしたい」など、今の条件だけでは見えなかった希望が出てきます。体力面の不安がある人は、40代で体力的にきついと感じたときの働き方も参考にしてください。

書き出し3:譲れない条件と、妥協できる条件を分ける

条件は「譲れない」「できれば」「妥協できる」の3段階に分けます。譲れない条件は3つまで。それ以上あると、どの求人も足りなく見えて、かえって決められなくなります。

東京都の調査では、過去に保育士として働いた人が保育の仕事に戻るときに重視する条件として、1日の勤務時間、年収、通勤時間、週の勤務日数が上位に並びました[2]。40代の転職でも、この4つは条件を考えるときの出発点になります。

図2

保育の仕事に戻るときの希望条件(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・上位4項目)[2]

勤務時間(1日)73.8%
給与等(年収)69.0%
通勤時間(片道)61.6%
勤務日数(週)57.3%
図2 保育の仕事に戻るときの希望条件(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・上位4項目)[2]

この調査は、すでに保育の現場を離れた人を対象にしたものです。それでも、働く時間と通勤と収入の3つが多くの人にとって重いことは、現役の40代にもそのまま当てはまります。自分の条件がこの4つのどこに当たるかを確かめておくと、求人を見比べるときの物差しになります。

0340代に合う求人の探し方:5つのルートを使い分ける

要点:求人の探し方には、転職サービス、ハローワーク、保育士・保育所支援センター、法人や園への直接応募、知人の紹介の5つがあります。40代は、一つに頼らず2〜3つを組み合わせると、情報の偏りを防げます。

求人を一つのルートだけで探すと、そのルートが持っている求人の範囲でしか比べられません。40代は条件が具体的なぶん、ルートによって合う求人の見つかりやすさが変わります。

図3

探し方特徴向いている人気をつけたいこと
転職サービス(サイト・エージェント)求人が多く、条件の交渉や日程調整を任せられる在職中で時間が限られている人連絡の頻度や方法を最初に伝えておく
ハローワーク地域の求人が多く、窓口で相談もできる自宅近くで探したい人求人票の情報が少ないことがあり、見学で補う
保育士・保育所支援センター自治体が設ける窓口で、就職の相談やあっせんを行う地域の保育事情を知りたい人設置場所や受付時間は自治体ごとに確認する
法人や園への直接応募気になる法人のホームページから応募できる行きたい園がはっきりしている人条件の確認や交渉を自分で行う
知人の紹介職場の雰囲気を事前に聞ける信頼できる知人がいる人断りにくくなるので、条件は書面で確かめる
図3 保育士の求人の探し方5つの違い

転職サービスが求職者に無料なのは、法律で決まっているから

転職エージェントなどの有料職業紹介事業者は、原則として求職者から手数料を受け取ってはならないと職業安定法で定められています[3]。手数料は、求人を出す園や法人の側が払う仕組みです。仕組みを知っておくと、「無料なのはなぜだろう」と身構えずに使えます。詳しくは転職エージェントの紹介料の仕組みで解説しています。

保育士・保育所支援センターは、40代にこそ使いやすい

保育士・保育所支援センターは、都道府県や指定都市などが設置する保育士のための窓口で、2025年12月時点で全国75か所にあります[4]。就職の相談や職業紹介などを行っており、センターに登録して就職につながった件数は2024年度に4,708件でした[5]。地域の保育所の事情に詳しい窓口なので、自宅の近くで長く働ける園を探したい40代には心強い存在です。設置場所や受付時間は、住んでいる都道府県の公式サイトで確かめてください。

ルートを組み合わせるときのこつ

2〜3つのルートを使うと、同じ園の求人が別のルートに出ていることがあります。そのときは、求人票の内容に違いがないかを見比べてみてください。給与や勤務時間の書き方に差があれば、面接で確かめるべき点が一つ見つかったことになります。

見学で見ておきたい3つの場面

求人票だけでは分からないことは、見学で補います。40代の転職でとくに見ておきたいのは、次の3つの場面です。

  1. 午睡の時間に職員が何をしているか。書類を書いているのか、休憩を取っているのかで、休憩の実態が分かります。
  2. 職員室の机の上。書類やファイルが積み上がっていれば、事務の負担が大きい可能性があります。
  3. 職員どうしの声のかけ方。年齢の違う職員が気軽に話しているかどうかで、中途で入った人がなじみやすいかが見えてきます。

見学の時間は30分ほどのことが多いので、この3つを先にメモしておくと、限られた時間で必要なことを確かめられます。

04応募前と内定後に、書面で確かめる項目

要点:求人票と労働条件通知書は、40代の転職で失敗を防ぐいちばんの道具です。業務内容や就業場所の「変更の範囲」、固定残業代の内訳など、2024年4月以降に明示が求められるようになった項目もあわせて確かめます。

求人を出すときには、業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間・休憩・休日、時間外労働の有無、賃金(固定残業代がある場合はその内訳)、加入保険などを示すことが求められています[6]。さらに2024年4月からは、求人の段階で「従事すべき業務の変更の範囲」「就業の場所の変更の範囲」も明示事項に加わりました[7]。労働契約を結ぶときにも、同じく変更の範囲を明示することが必要です[8]。

図4

  • 就業場所と、その変更の範囲通えない園への異動があり得るかが分かる
  • 業務内容と、その変更の範囲入職後に主任や事務の仕事が加わる可能性を確かめられる
  • 始業・終業の時刻と、早番・遅番の時間帯家庭の事情と両立できるかが分かる
  • 休憩時間と、休憩を取る場所午睡中の書類仕事が休憩扱いになっていないかを確かめる
  • 賃金の内訳と、固定残業代の有無月給の高さが残業代込みでないかを見抜ける
  • 試用期間の長さと、その間の条件本採用までの給与や待遇の違いを確かめる
  • 賞与の支給実績と、経験年数の給与への反映年収ベースで今の園と比べられる
  • 担当予定のクラスや役割体力や希望に合う配置かを入職前に話し合える
図4 求人票と労働条件通知書で照らし合わせる項目

口頭の説明は、書面と食い違っていないかを見る

面接で聞いた話と、内定後に届いた労働条件通知書の内容が違うことがあります。違いに気づいたら、承諾する前に園に問い合わせてください。明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は労働契約をすぐに解除できると法律で定められています[9]。ただ、入職してから争うより、承諾の前に確かめるほうがずっと負担が少なくて済みます。求人票の読み方は求人票の見るポイントで詳しく紹介しています。

05相談事例:44歳、内定を一度断ってから決めた転職

要点:ここでは、条件の良さそうな内定を書面で確かめて断り、そのあと納得できる園に決めたモデルケースを紹介します。「断る」判断ができた理由に注目してください。

早く決めたい気持ちに、書面がブレーキをかけてくれた

相談事例(モデルケース)

お名前
きょうかさん(仮名)・44歳
保育士歴
21年目(相談当時)
勤務先
株式会社が運営する認可保育園(定員約70名)、2歳児クラス担任・副リーダー
家族
夫と中学2年生・小学5年生の子ども
変化
通勤 片道40分 → 15分/持ち帰り 週2日 → なし

編集部辞めたいと思ったきっかけを教えてください。

きょうかさん

園長が替わってから、行事の準備が全部勤務時間の外に回されるようになったんです。発表会の衣装も家で作ってました。それに、上の子が高校受験の年に入るので、帰りが遅いのがもう限界で。40代だし、次で失敗したくない、っていう気持ちがすごく強かったですね。

編集部最初の内定は、なぜ断ったのですか。

きょうかさん

月給が今より3万円高い園から、すぐ内定をもらったんです。正直、もうここでいいやと思ってました。でも労働条件通知書を見たら、就業場所の変更の範囲が「法人が運営するすべての施設」になってて、その法人、隣の県にも園があったんですよ。月給にも固定残業代が20時間分入ってました。相談した人に「断っても大丈夫ですよ、まだ時間はあります」って言ってもらえて、やっと断れたんです。

編集部そのあと、どう探し直したのですか。

きょうかさん

書き出した条件を見直して、譲れないのは「通勤20分以内」「持ち帰りなし」「異動なし」の3つにしました。転職サービスとハローワークの両方で探して、見学は5園。見学では、職員の机に書類が積まれていないか、午睡中に先生たちが何をしているかを見るようにしました。応募したのは2園だけです。

編集部決めた園は、どんなところでしたか。

きょうかさん

自宅から自転車で15分の社会福祉法人の園です。1園だけの法人なので異動はなくて、書類は勤務時間内に書く時間が決まってました。月給は最初の内定より低いんですけど、残業代は別に出るので、実際の手取りはほとんど変わらないんです。

「早く決めたい」が、一番の落とし穴でした。書面を見て断れた自分を、今はほめてあげたいです。

きょうかさん(仮名)

きょうかさんは年度末に退職し、4月から新しい園の3歳児クラスの担任になりました。持ち帰りはなくなり、18時半には家に着くようになったそうです。上の子の受験の時期も、夕食の時間を一緒に過ごせたと話しています。

このケースから持ち帰れるのは、内定は「もらったら受けるもの」ではなく、「書面を見てから選ぶもの」だということです。40代は焦りやすいからこそ、条件を書面で確かめる習慣が、そのまま失敗を防ぐ力になります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

1回目の内定決めた園

通勤時間(片道)

約45分
15分

異動の可能性

県外の施設も含む
なし

持ち帰り仕事

不明(確かめず)
なし

月給の見え方

固定残業代20時間込み
残業代は別に支給
図5 きょうかさんの転職活動と暮らしの変化

0640代の転職を、失敗せずに進める手順

要点:書き出し、ルート選び、見学、書面の確認、園長への報告の順に進めます。担任をしている人は、年度末を区切りにして半年ほど前から準備を始めると、焦らずに済みます。

図6

  1. 3つの書き出しをする

    辞めたい理由、これからの10年の暮らし、譲れない条件と妥協できる条件を紙に書きます

  2. 求人のルートを2〜3つ選ぶ

    転職サービス、ハローワーク、支援センター、直接応募から、自分に合うものを組み合わせます

  3. 見学で仕事の様子を確かめる

    午睡中の過ごし方、書類の量、職員の年齢層を自分の目で見ます

  4. 応募は条件に合う園に絞る

    譲れない条件を満たす園だけに応募し、面接で担当クラスや役割も確かめます

  5. 書面で条件を照らし合わせる

    内定後に労働条件通知書を受け取り、求人票と面接の説明との違いを確認します

  6. 退職を伝えて引き継ぐ

    就業規則の期限を確かめ、担任や行事の引き継ぎに十分な時間を取って園長に伝えます

図6 40代保育士が転職で失敗しないための進め方

退職を伝える時期は、余裕をもって

期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用が終わります[10]。ただ、担任や行事の担当を持つ40代が抜けると、園の負担は大きくなります。就業規則の期限を確かめたうえで、引き継ぎの時間を含めて早めに伝えるほうが、自分の気持ちの面でも区切りがつけやすくなります。

在職中と退職後、どちらで探すか

40代は、在職中に次を決めてから辞めるほうが、収入の途切れを防げて落ち着いて選べます。一方で、心身の不調があるなら、辞めて休むことを優先してかまいません。その場合は、雇用保険の給付や健康保険の切り替えなど、お金の手続きを先に確かめておきましょう。

07失敗を恐れすぎないために、知っておきたいこと

要点:どれだけ準備しても、入ってみないと分からないことは残ります。大切なのは、失敗をゼロにすることではなく、合わなかったときに立て直せる準備をしておくことです。

1. 完璧な園は見つからない

5つの失敗パターンを全部避けて、条件もすべて満たす園は、まず見つかりません。譲れない条件を3つに絞るのは、そのためです。3つを満たしていれば、ほかの小さな不満は「想定内」と考えられるようにしておくと、入職後の落ち込みが小さくなります。入職後に条件を確かめ直す機会として、試用期間の扱いも知っておくと安心です。試用期間に確認しておきたいことで詳しく紹介しています。

2. 合わなかったときは、早めに言葉にする

入職して1〜2か月で「思っていたのと違う」と感じることは、40代に限らず誰にでもあります。そのときは、我慢をため込まずに、何が違ったのかを書き出してください。担当クラスの変更で解決するのか、園そのものが合わないのかを分けて考えられると、次の一手を落ち着いて選べます。

3. 「これが最後の転職」と決めつけない

40代の方からは、「次が最後だと思って選びたい」という声をよく聞きます。長く働ける園を選びたい気持ちは自然ですが、「最後」と思い込むほど、一つの求人に完璧を求めて動けなくなります。50代で働き方を変える保育士もいますし、雇用形態や園種を変える道も残っています。「今の自分と家族にとって、この先の数年を一番よく過ごせる園」くらいの気持ちで選ぶほうが、決断の重さに押しつぶされずに済みます。

40代の転職は、一人で準備を進めるほど「本当にこれでいいのか」という不安が大きくなりがちです。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階でも、3つの書き出しや労働条件通知書の見方を一緒に確かめる相談を受けています。条件を言葉にするところから、気軽に話してみてください。

よくある質問

40代で保育士の正社員に転職するのは難しいですか?

保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を上回っています[11]。40代だから正社員になれないということはありません。ただし、通勤時間や勤務時間などの条件を絞るほど候補は減るので、譲れない条件を3つに絞っておくことが大切です。

年下の園長や主任のもとで働くことになっても大丈夫でしょうか?

40代の転職では、よくあることです。最初の数か月は「この園のやり方を教えてください」という姿勢で臨むと、関係を作りやすくなります。経験は、信頼関係ができてから少しずつ出していけば十分です。

転職したら、給料は下がりますか?

前職の経験年数をどこまで給与に反映するかは、園や法人によって違います。月給だけでなく、賞与の支給実績、手当の内訳、固定残業代の有無を確かめ、年収で比べると判断を誤りにくくなります。

体力に自信がなく、乳児クラスを担当できるか不安です。

担当クラスは、面接の段階で希望を伝えて相談できます。抱っこが多い0歳児クラスや、早番の多いシフトが不安なら、そのことを正直に伝え、入職後の配置を確かめてから承諾してください。

転職活動をしていることを、今の園に知られたくありません。

在職中の転職活動を職場に伝える義務はありません。見学や面接は有給休暇を使い、連絡は個人の携帯電話やメールで受けるようにすると、知られる心配を減らせます。退職を伝えるのは、内定と条件の確認が済んでからで間に合います。

内定をもらったあとに、条件が違うと気づいたらどうすればいいですか?

承諾する前なら、まず園に問い合わせて違いの理由を確かめてください。説明に納得できなければ、辞退することもできます。迷うときは、求人票、面接のメモ、労働条件通知書の3つを並べて、どこが違うのかを書き出してから判断すると落ち着いて考えられます。

参考にした資料

  1. 厚労省 職業情報提供サイト(job tag)「保育士」
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  3. e-Gov法令検索「職業安定法」
  4. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  5. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  6. 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
  7. 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
  8. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  9. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
  10. e-Gov法令検索「民法」
  11. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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