30代保育士が辞めたい時|採用ニーズと転職の選択肢

午睡の部屋で、子どもたちの寝息を聞きながら連絡帳を書く。ペンを止めたすきに、同級生のSNSが頭をよぎります。昇進した、家を建てた、転職して年収が上がった。自分はこの先、何年この働き方を続けるのだろう。30歳を過ぎたころから、そんな問いが少しずつ大きくなってきた人は多いはずです。

30代は、保育士として力がいちばん発揮できる時期でもあります。担任を任され、行事を回し、後輩に頼られる。その一方で、結婚や出産、子育て、親のことなど、暮らしの側も大きく動きます。「辞めたい」と「まだ続けられる」が、毎週のように入れ替わるのは無理もありません。

さらに30代には、「動くなら今のうち」という焦りもつきまといます。異業種に挑戦するなら、条件の良い園に移るなら、40代になる前に。その焦りに押されて決めると、あとで後悔することもあります。この記事では、30代の保育士が採用の場でどう見られるのか、どんな選択肢があるのかを整理し、自分に合う道を落ち着いて選ぶための手順をまとめました。

この記事でわかること

  • 30代の保育士が「辞めたい」と感じやすい4つのパターン
  • 採用する園が30代の保育士に期待すること、確かめたいこと
  • 保育士を続ける・場所を変える・異業種へ進むなど4つの方向の比べ方
  • 子育てと両立したい人が、転職先で確かめておきたい制度
  • 在職中に転職を進める、4月入職までのスケジュール

結論

保育士を辞めたい30代は、まず辞めたい理由が「キャリアの行き詰まり」「暮らしとの両立」「給与と将来の不安」「職場や保育観とのずれ」のどれにあるかを見極めることから始めます。30代の保育士は、担任や行事をひと通り経験した即戦力であり、この先も長く働ける年代として、採用する園から期待されやすい立場です。保育士の有効求人倍率は全職種平均を大きく上回っているため[1]、焦って決める必要はありません。今の園で役割を変える、保育士のまま職場を変える、資格を活かして保育園以外へ移る、異業種に進むという4つの方向を、譲れない条件と照らし合わせて比べると、30代の転職は後悔の少ない選択になります。

0130代の「辞めたい」は、4つのパターンに分かれる

要点:30代の保育士の辞めたい気持ちは、キャリアの行き詰まり、暮らしとの両立、給与と将来の不安、職場や保育観とのずれの4つに分けると整理しやすくなります。パターンによって、向いている選択肢が違います。

20代の「辞めたい」は、仕事に慣れないつらさや人間関係の悩みが中心になりがちです。30代になると、それに加えて「この先」の悩みが入ってきます。5年後、10年後も今の園で今の働き方を続けている自分を想像したとき、すっと受け入れられるか。そこに引っかかりがあると、日々の小さな不満も大きく感じられるようになります。

図1

キャリアの行き詰まり

担任とクラスリーダーを何年も繰り返している。主任のポストは空かず、この先の道が見えない

職場を変えると解決しやすい

暮らしとの両立

子育てや家事と、早番・遅番や持ち帰り仕事がかみ合わない。土曜保育もつらい

制度と勤務形態の確認が先

給与と将来の不安

昇給の幅が小さく、家族を持つことや住まいを考えたときに不安になる

給与体系の比較が必要

職場や保育観とのずれ

園長が変わって方針が合わなくなった。人間関係が固定して息苦しい

園を変えると変わることが多い

図1 30代保育士の「辞めたい」4つのパターン

一番重いパターンから考える

4つのうち、2つ以上が当てはまる人も多いはずです。その場合は、「これが解決したら、ほかは我慢できる」と思えるものを一つ選んでください。たとえば、給与の不満はあっても、遅番さえ減れば続けられると感じるなら、優先すべきは両立の問題です。逆に、勤務時間に不満はなくても、この先10年同じ立場が続くことに耐えられないなら、キャリアの行き詰まりが本当の理由かもしれません。

一つに絞れないときは、1週間だけ「辞めたい」と思った瞬間をメモしてみてください。遅番の日の夜なのか、給与明細を見た日なのか、職員会議のあとなのか。思った場面を並べると、どのパターンが自分を一番揺さぶっているのかが見えてきます。

辞めたい理由は、多くの保育士と重なっている

東京都の調査では、保育士を辞めたいと考える理由として「給料が安い」が61.6%、「仕事量が多い」が54.0%、「労働時間が長い」が35.4%と上位に並びました[2]。30代に限った数字ではありませんが、自分の悩みが特別なものではないと知っておくと、少し冷静に考えられます。10年目以降の働き方まで見据えて考えたい人は、ベテラン保育士が辞めたいときの働き方の変え方もあわせて読んでみてください。

02採用する園は、30代の保育士に何を期待しているか

要点:30代の保育士は、担任や行事の経験を持つ即戦力であると同時に、この先も長く働ける年代として見られます。求人は全職種平均を上回る水準が続いており、条件を選びながら転職活動を進めやすい状況です。

保育士の有効求人倍率は、2026年7月時点で全国2.80倍、全職種の平均は1.15倍でした[1]。さらに、年度の中でも時期によって差があり、2026年1月には3.88倍まで上がっています[3]。4月の新年度に向けて人を探す園が増える冬は、求人の数そのものが多くなる時期です。

求人が多い時期と、自分が選びやすい時期は違う

求人が多いからといって、その時期に急いで決める必要はありません。冬は求人が増える一方で、担任をしている人にとっては発表会や年度末の書類が重なる、いちばん忙しい時期でもあります。秋のうちに条件を整理しておき、求人が増えてきたら比べるだけ、という状態にしておくと、忙しさに押されて妥協することを防げます。年度の途中で入職できる園もあるので、4月入職にこだわらない選び方もあります。

園が30代に期待しやすいこと

求人票に「30代歓迎」と書かれていなくても、採用する側には30代に期待しやすいことがあります。前半と後半では、見られる点が少しずつ違います。

図2

項目30代前半30代後半
期待されやすいこと担任をひと通り任せられる力、行事の運営経験リーダーの経験、後輩指導、保護者対応の安定感
確かめられやすいこと今の園を辞める理由、長く働けるか新しい園のやり方に合わせられるか、役割の希望
伝えておきたいこと担当したクラスと、自分が工夫したこと任されてきた役割と、次の職場で担いたい役割
準備しておくとよいもの経験年数とクラス担当の一覧指導した人数や取りまとめた行事の一覧
図2 30代前半と30代後半で、採用の場で見られやすい点

30代前半は、担任としての実力と「長く働いてくれるか」がよく見られます。30代後半になると、それに加えて、リーダーや後輩指導の経験、新しい環境に合わせられる柔軟さが問われます。どちらも、これまでの経験を具体的な数字で話せるようにしておくと、面接で伝わりやすくなります。

「若い人の方が採用されやすい」とは限らない

20代と比べて不利になるのでは、と心配する人もいます。ただ、保育の現場では、一人で担任を任せられる人、保護者対応で慌てない人を求める園も多くあります。経験の長さは、新卒にはない強みです。「2歳児クラスの担任を3年、うち2年はクラスリーダー」「運動会の取りまとめを2回」のように、年数と役割を組み合わせて話せるようにしておきましょう。経験の伝え方は経験年数を転職で有利に伝える方法で詳しく紹介しています。

0330代の選択肢を4つの方向で比べる

要点:今の園で役割を変える、保育士のまま職場を変える、資格を活かして保育園以外で働く、異業種に進む。30代はこの4つすべてが現実的に選べる年代です。だからこそ、「何を変えたいか」から逆算して選びます。

図3

何を一番変えたいか

  1. 今の園で役割を変える人間関係は悪くないが、担当や勤務の偏りがつらい人。クラスや係の変更を相談する
  2. 保育士のまま職場を変える保育は続けたいが、園の方針や給与体系、勤務時間が合わない人。規模や運営法人を変えて探す
  3. 資格を活かして保育園以外へ行事や早番・遅番から離れたいが、子どもに関わる仕事は続けたい人。学童、児童発達支援などを検討する
  4. 異業種に進む保育以外の仕事に関心があり、働き方を大きく変えたい人。未経験から始める準備期間を見込む
図3 30代保育士が辞めたいときの4つの方向

今の園で役割を変えるなら、来年度の配置が決まる前に

一つめの方向を選ぶなら、タイミングがすべてです。来年度のクラス担任や係は、多くの園で年明けから年度末にかけて決まっていきます。その前に、「来年度は乳児クラスを希望したい」「行事のリーダーは一度外れたい」と、希望を一つに絞って園長に伝えておくと、配置に反映されやすくなります。30代は園にとって中心となる職員です。理由と代わりに担えることを添えて伝えれば、希望を出したこと自体を責められる心配はそれほどありません。伝えても何も変わらなかったなら、それは次の方向を考える材料になります。

異業種を考えるなら、収入の見通しを先に確かめる

30代は、未経験の職種に挑戦するなら今のうちだと言われることがあります。たしかに、年齢が上がるほど、未経験からの挑戦には準備の時間がかかると感じる人が多いようです。ただ、異業種に移ると、最初の数年は給与が下がることも珍しくありません。保育で身につけた段取りや対人の力がどの仕事で活きるのか、収入がいつごろ今の水準に戻りそうかを確かめてから判断すると、後悔が少なくなります。異業種への転職の進め方は30代の保育士が異業種に転職するときの準備にまとめています。

保育士のまま職場を変えるなら、運営法人の規模も見る

保育士として働き続けたい30代にとって、運営法人の規模は見落としがちな条件です。園を1〜2か所だけ運営する法人と、10か所以上運営する法人では、昇進の道筋、異動の有無、研修の仕組みが違います。国の処遇改善等加算の区分1には「キャリアパス要件」が設けられています[4]。面接では、どんな職位があり、それぞれで給与がどう変わるのかを、賃金規程や説明資料で見せてもらえるか聞いてみてください。

規模が大きい法人には、昇進の道筋が見えやすい反面、異動で通勤先が変わることもあります。規模が小さい法人には、異動がない安心感がある一方で、役職の数が限られます。どちらが良いかではなく、自分の30代後半から40代をどう過ごしたいかで選ぶのがこつです。

04子育てと両立したい30代が、転職先で確かめたい制度

要点:子育て中、またはこれから子どもを持ちたい30代は、法律で決まっている制度と、園ごとに違う運用の両方を確かめます。制度があることと、実際に使えることは別の問題です。

30代の転職理由で多いのが、子育てとの両立です。育児・介護休業法は2025年に大きく改正され、子育て中の働き方の選択肢が広がりました。

  • 3歳未満の子を育てる労働者には、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度を設けることが事業主の義務です[5]。
  • 子の看護等休暇は、小学校3年生修了までの子が対象になり、入園式・卒園式や学級閉鎖でも取れるようになりました(2025年4月から)[6]。
  • 残業免除(所定外労働の制限)の対象は、小学校就学前の子を育てる労働者に広がりました[6]。
  • 2025年10月からは、3歳から小学校就学前の子を育てる労働者のために、始業時刻の変更や短時間勤務など5つの中から2つ以上の措置を講じることが事業主に義務づけられています[7]。

「制度がある」と「使える」の間を確かめる

法律で決まっている制度でも、職場によって使いやすさは違います。面接や見学では、制度の有無だけでなく、実際に使っている職員がいるかを聞いてみてください。

図4

  • 短時間勤務を使っている職員が今いるか制度が形だけでないかが分かる
  • 短時間勤務中の担当(担任かフリーか)時短でも担任を持つのか、働き方の想像がつく
  • 子どもの急な発熱で休むときの連絡と代わりの体制休みを取りにくい雰囲気かどうかが見える
  • 早番・遅番・土曜保育の回数の決め方家庭の事情がどこまで考慮されるかが分かる
  • 就業場所の変更の範囲(異動の有無)通勤できない園への異動があるかを確かめられる
  • 持ち帰り仕事の有無と、書類の時間の確保家に帰ってからの時間を守れるかが分かる
図4 子育てと両立したい30代が、面接・見学で確かめること

就業場所や業務の「変更の範囲」は、2024年4月から労働契約を結ぶときに明示することが義務になりました[8]。複数の園を運営する法人では、入職後の異動の可能性も確かめておくと安心です。子育て中に正社員として働き続けるための職場選びは、子育て中も正社員で働き続けるための職場選びで詳しく扱っています。

05相談事例:31歳、異業種と保育を並べて決めた

要点:ここでは、子どもが生まれたことをきっかけに辞めたいと考えた30代の保育士のモデルケースを紹介します。異業種への転職と、保育士としての転職を比べた過程に注目してください。

「30代のうちに」という焦りを、条件の言葉に置き換えた

相談事例(モデルケース)

お名前
かいとさん(仮名)・31歳
保育士歴
9年目(相談当時)
勤務先
2園を運営する社会福祉法人の認可保育園(定員約60名)、5歳児クラス担任
家族
妻(会社員)と1歳の子ども
変化
遅番 週3回 → 週1回/子どもと夕食をとれる日 週2日 → 週5日

編集部辞めたいと思ったきっかけは何でしたか。

かいとさん

子どもが生まれて、遅番の日は寝顔しか見られなかったんです。それが週に3回。給料も、この先上がる見込みがほとんどなくて。妻と話して、「30代のうちに営業とか、全然違う仕事に移ったほうがいいんじゃないか」って、かなり本気で考えてました。

編集部相談では、どんなことを整理しましたか。

かいとさん

異業種に行った場合と、保育士のまま園を変えた場合を、紙に並べて比べました。異業種だと最初の年収は今より下がりそうだっていう見込みも、ちゃんと数字で示してもらえて。いいことだけ言われなかったのが、逆に信用できました。並べてみたら、僕が変えたかったのは「遅番の多さ」と「給料の上がり方が見えないこと」の2つだけだったんですよね。

編集部そこから、どう動いたのですか。

かいとさん

園を10か所以上運営している法人を中心に探しました。見学では、職位ごとの給与の表を見せてもらえるか、遅番が月に何回かを必ず聞きました。表を見せてくれた法人が2つあって、そのうち遅番の回数を家庭の事情で調整できると言ってくれた園に決めました。

編集部今、振り返ってどうですか。

かいとさん

正直、保育士を続けるって決めたとき、ちょっと負けたような気がしてたんです。でも、変えたいものが2つだって分かってたから、それが変わった今は、子どもと晩ごはんを食べながら「この仕事でよかった」って思えてます。

30代のうちに何かを変えなきゃ、の「何か」が、やっと言葉になった気がします。

かいとさん(仮名)

かいとさんは年度末に退職し、4月から新しい法人の認可保育園で4歳児クラスの担任になりました。遅番は週1回に減り、年収は約360万円から約395万円に上がる見込みです。法人には副主任や専門リーダーなどの職位と、それぞれの給与の目安が示されていて、この先の道筋が見えるようになったことも大きかったと話しています。

かいとさんのケースから持ち帰れるのは、「30代のうちに」という焦りを、具体的な条件に置き換えることの意味です。焦りのまま異業種に移っていたら、変えたかった2つの条件は満たせても、保育を手放した後悔が残ったかもしれません。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

相談前転職後

遅番の回数

週3回
週1回

子どもと夕食をとれる日

週2日
週5日

年収の見込み

約360万円
約395万円

この先の職位と給与の見通し

説明なし
表で確認できる
図5 かいとさんの暮らしの変化

06在職中に進める、30代の転職スケジュール

要点:30代の転職は、在職中に半年ほどかけて進めると、担任の引き継ぎと次の職場選びを両立しやすくなります。4月入職を目指すなら、秋から動き始めるのが一つの目安です。

図6

  1. 9〜10月辞めたい理由を4つのパターンで整理し、譲れない条件を3つに絞る
  2. 10〜11月求人を見始め、気になる園を3〜5か所選ぶ。家族と条件を話し合う
  3. 11〜12月見学と面接。職位ごとの給与、遅番の回数、両立の制度を確かめる
  4. 12〜1月内定と労働条件の確認。就業規則に沿って園長に退職を伝える
  5. 2〜3月クラスの引き継ぎ資料を作り、有給休暇の取得を相談する
  6. 4月新しい園で勤務を始める
図6 4月入職を目指す30代保育士の転職スケジュール(目安)

期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用は終わります[9]。ただ、担任をしている場合は、子どもと同僚への影響を考えると、就業規則で決められた期限よりも早めに伝えるほうが引き継ぎの時間を取りやすくなります。転職の時期の決め方は、保育士の転職のベストタイミングも参考にしてください。

在職中に動くときのコツ

担任をしながら転職活動をするのは、時間のやりくりが一番の壁です。見学は、園によっては午睡の時間帯を指定できることもあるので、問い合わせのときに聞いてみてください。有給休暇を半日単位で使えるなら、1回の休みで2園を回ることもできます。面接の日程は、行事の直前を避けて組むと、気持ちにも余裕が残ります。

もう一つのコツは、家族と「いつまでに決めるか」を共有しておくことです。期限がないと、忙しい時期に転職活動が後回しになり、気づけば年度が変わっていることもあります。

0730代だからこそ、焦らずに考えてほしいこと

要点:「30代のうちに」という言葉は、決断を急がせる力を持っています。焦りで選んだ転職は、同じ悩みを繰り返す原因になりやすいものです。

1. 「今しかない」は、たいてい言い過ぎ

異業種への挑戦にしても、条件の良い園への転職にしても、30代の今しかできないことは、思っているほど多くありません。40代や50代で働き方を変えている保育士もいます。自分で期限を決めるのはよいことですが、その期限が「なんとなく35歳まで」なら、一度その根拠を見直してみてください。根拠のない期限は、焦りを生むだけです。

2. 家族の事情は、遠慮せず条件に入れる

30代の転職では、自分だけでなく、パートナーや子どもの生活も関わってきます。「迷惑をかけたくない」と家庭の事情を伏せたまま入職すると、あとで無理が出ます。遅番の回数、土曜保育、通勤時間など、家族の生活に関わる条件は、面接で正直に確かめておいたほうが、結果として長く働けます。

3. 給与だけで選ぶと、別の悩みが戻ってくる

30代は家計の負担が増える時期なので、月給の高さに目が行きやすくなります。けれども、月給が上がっても、持ち帰りが増えたり、通勤が長くなったりすれば、家族との時間はかえって減ってしまいます。給与は譲れない条件の一つに入れつつ、時間や役割の条件と並べて比べてください。かいとさんのように、変えたいものを2つか3つに絞っておくと、給与の数字だけに引っ張られずに済みます。

一人で考えていると、焦りと不安が混ざって、何を変えたいのかが見えにくくなります。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決める前の段階から、30代のこれからの働き方を一緒に整理しています。異業種と保育の両方を並べて考えたいときにも、話を聞くところから始められます。

よくある質問

30代で保育士を辞めるのは遅いですか?

遅くはありません。保育士として園を移る場合、担任や行事の経験は採用の場で強みになります。異業種に移る場合も、保育で身につけた段取りや対人の力を活かせる仕事はあります。大切なのは年齢よりも、何を変えたいのかがはっきりしているかどうかです。

保育園以外で、保育士資格を活かせる職場はありますか?

学童保育の放課後児童支援員は、保育士などの資格を持ち、都道府県知事等が行う研修を修了した人がなれます[10]。児童発達支援や放課後等デイサービスでは、保育士は児童指導員と並んで配置される職種です[11]。行事や早番・遅番の形が保育園と違うので、働き方を変えたい30代の選択肢になります。

保育士の給料で、この先家族を支えていけるか不安です。

こども家庭庁の資料では、2025年の月収換算(賞与を12で割って含めた額)は保育士34.3万円、全産業39.6万円でした[12]。差があるのは事実ですが、園や法人によって給与体系は大きく違います。職位ごとの給与の目安や昇給の実績を、転職先の候補で比べてみてください。

結婚や出産の予定は、面接で伝えたほうがいいですか?

伝えるかどうかは自分で決めてかまいません。ただ、両立の制度が使えるかを確かめたいなら、「短時間勤務を使っている方はいますか」のように、制度の使われ方を聞く形にすると、自分の予定を話さなくても必要な情報が得られます。

辞めたい気持ちが一時的なものか、自分でも分かりません。

1か月ほど、辞めたいと思った日とその理由を手帳に一行ずつ書いてみてください。行事の前だけに集中しているなら一時的な疲れの可能性があり、季節に関係なく続いているなら、働き方を見直すサインと考えられます。

30代で転職したら、次の園では長く働かないといけませんか?

長く働けるかどうかは、面接で確かめられやすい点の一つです。ただ、何年働かなければならないという決まりはありません。だからこそ、今回の転職で何を変えたいのかをはっきりさせ、それが満たされる園を選ぶことが、結果的に長く働くことにつながります。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  3. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.1)」
  4. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  5. 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)」
  6. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  7. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  8. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  9. e-Gov法令検索「民法」
  10. 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第10条
  11. 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第5条・第66条
  12. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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