日曜の夕方、近所の公園を歩いていると、フェンス越しに保育園の園庭が見えます。砂場に置き忘れたシャベル、窓に貼られたどんぐりの壁面。「ここで働けたら、歩いて10分なのに」。家に帰って求人サイトを開き、勤務地を自分の市に絞ってみると、たくさんの求人が並びます。けれど、どの園が家から近いのか、近い園どうしで何が違うのかは、一覧を眺めているだけではよく分かりません。
近所で働くことには、別の迷いもついてきます。保護者と同じスーパーで買い物をすることになるかもしれない。わが子と同じ小学校に、担任した子が通うかもしれない。近さは大きな魅力なのに、近すぎることへの小さな不安が、応募のボタンを押す手を止めます。
この記事では、自宅の近くで保育士の求人を探す具体的な方法と、近隣の園を同じ物差しで比べる方法をまとめました。地元で働くときに先に考えておきたい「近さの裏側」についても、正直にお伝えします。
この記事でわかること
- 「自宅の近く」を、通勤手段ごとの範囲に置き換える方法
- 近所の園の求人を見落とさない4つの探し方
- 近隣の園を比べる7つの視点と、比較表の作り方
- 地元で働く前に考えておきたい、生活圏との重なりへの備え
結論
保育士が自宅近くの求人を探すときは、まず「徒歩15分以内」「自転車15分以内」のように、通勤手段ごとに近さの範囲を決めます。次に、その範囲にある園を求人の有無にかかわらず書き出し、求人サイト、ハローワーク、保育士・保育所支援センター、園のホームページで募集を確かめます。近所の園どうしは通勤時間に大きな差がないため、園種と規模、勤務時間、保育方針、異動の可能性、生活圏との重なりといった園の中身を一つの表で比べることが、後悔しない選び方につながります。
01「自宅の近く」を、通勤手段ごとの範囲に置き換える
要点:「近く」という言葉のままでは、求人を絞り込めません。徒歩・自転車・車・電車のそれぞれで「何分以内」かを決め、地図に範囲を描くと、探すべき園がはっきりします。
求人サイトで勤務地を「○○市」と指定しても、同じ市の中に、徒歩5分の園と車で25分の園が混ざっています。市の境目の近くに住んでいれば、隣の市の園のほうがずっと近いこともあります。行政の区切りではなく、自分の家からの時間で範囲を決めることが、近所の求人探しの出発点です。
図1
| 通勤手段 | 範囲の目安 | 決めるときに考えること |
|---|---|---|
| 徒歩 | 15分以内 | 雨の日や荷物の多い日も歩けるか |
| 自転車 | 15分以内 | 坂道、交通量、雨の日の代わりの手段 |
| 車 | 20分以内 | 朝夕の渋滞、園の駐車場の有無 |
| 電車・バス | 乗車15分と駅からの徒歩 | 早番の時刻に間に合う便があるか |
上の時間は一つの例です。早番の日に何時に起きたいか、自分の子どもの送迎があるかで、ちょうどよい範囲は変わります。決めたら、地図アプリで自宅を中心に範囲を描いておきます。紙の地図にペンで円を描くだけでも十分です。
近所には、思ったより多くの園がある
全国の保育所等は、2026年4月1日時点で40,046か所あります[1]。認可保育所のほか、認定こども園、小規模保育事業、企業主導型保育など、園の種類はいくつもあります。地域によっては、自転車で15分の範囲に複数の園が入っていることもあります。まずは範囲内の園をすべて書き出してみると、「近所には求人がない」と思い込んでいた人ほど、選択肢の多さに驚くはずです。
「近さ」に何を求めているかも書いておく
範囲を決めるときは、近さに求めている理由も一行書き添えておきます。「子どもの送迎に間に合わせたい」「早番の朝の睡眠時間を増やしたい」「雨の日も歩いて通いたい」。理由が分かっていると、徒歩5分の園と自転車12分の園のどちらが自分に合うかを、あとで判断しやすくなります。近ければ近いほどよい、とは限らないからです。
02近所の保育園の求人を見落とさない4つの探し方
要点:求人サイトだけでは、近所の園の募集をすべて拾えるとは限りません。自治体の施設一覧で園を書き出し、求人サイトとハローワーク、保育士・保育所支援センター、園のホームページを組み合わせると、見落としが減ります。
図2
- 1
施設の一覧から書き出す
市区町村が公開している保育施設の一覧や地図で、範囲内の園を求人の有無に関係なく書き出す
- 2
求人サイトとハローワーク
勤務地を市区町村や最寄り駅で絞り、範囲内の求人を集める。掲載先によって載っている園が違う
- 3
保育士・保育所支援センター
都道府県などが設置する窓口で、地域の求人情報や就職の相談を受けられる
- 4
園のホームページと問い合わせ
園が自分のホームページだけで募集していることもある。気になる園には直接問い合わせる
1. 施設の一覧で、まず「園の地図」を作る
探す順番が肝心です。求人から探し始めると、募集が出ている園しか目に入りません。先に範囲内の園をすべて書き出しておけば、あとで「この園は募集していない」「この園は求人サイトに出ていた」と照らし合わせられます。園の名前、園種、定員、自宅からの時間を一行ずつ書いておくと、そのまま比較表の土台になります。
2. 求人サイトとハローワークは「勤務地」で絞る
求人サイトでは、市区町村や最寄り駅で絞り込めることが多いので、範囲に入る市区町村と駅をすべて指定して検索します。ハローワークの求人も、同じ条件で見ておきます。同じ園の求人でも、掲載先によって雇用形態や給与の書き方が違うことがあるため、気になる園は複数の掲載先で見比べてください。
3. 保育士・保育所支援センターに相談する
保育士・保育所支援センターは、都道府県や指定都市・中核市が設置する窓口で、2025年12月時点で全国に75か所あります[2]。保育士への職業紹介などの就業支援を行っており[2]、地域の園の事情に詳しいことが強みです。ブランクのある人や、地元に戻って働きたい人にとっても相談しやすい窓口です。
4. 求人が出ていない園にも、問い合わせてよい
書き出した園の中に、どうしても気になる園があるのに求人が見当たらないこともあります。その場合は、園に電話かメールで「保育士の募集の予定はありますか」と問い合わせてみるのも一つの方法です。年度の途中に欠員が出て、急いで人を探していることもあります。問い合わせるときは、名前と保育士歴、希望する雇用形態を簡潔に伝えると、相手も答えやすくなります。
4つの経路で集めた情報は、最初に作った園の一覧に書き足していきます。「求人サイトに正社員の募集あり」「支援センターでパートの募集を紹介された」「園に問い合わせたら来年4月に募集予定」のように、どこで何が分かったかを残しておくと、同じ園の情報が散らばらずに済みます。
03近隣の園を比べる7つの視点
要点:近所の園どうしは通勤時間に大きな差がないため、差がつくのは園の中身です。園種と規模、勤務時間、保育方針、職員の入れ替わり、異動の可能性、通勤の細かな条件、生活圏との重なりの7つで比べます。
図3
| 比べる項目 | A園(徒歩10分) | B園(自転車12分) | C園(電車で2駅) |
|---|---|---|---|
| 園種と規模 | 認可保育園・定員90名 | 認可保育園・定員60名 | 認定こども園・定員150名 |
| 勤務時間 | 7時〜19時のシフト | 7時半〜18時半のシフト | 早番・遅番あり、土曜は月2回 |
| 保育方針 | 行事が多く、発表会に力を入れる | 異年齢保育、行事は少なめ | 外遊び中心 |
| 職員の入れ替わり | 毎年数名が入れ替わる | 勤続5年以上の職員が多い | 見学では分からず |
| 異動の可能性 | 単独の園で異動なし | 法人に3園 | 法人に10園以上 |
| 生活圏との重なり | 自宅と同じ学区 | 隣の学区 | 生活圏の外 |
表は、分からない欄があっても構いません。空欄は「見学や面接で聞くこと」のリストになります。7つの視点を、一つずつ見ていきます。
園種と規模
同じ「近所の保育園」でも、少人数の小規模保育と定員150名の認定こども園では、一日の流れも職員の数もまったく違います。小規模保育事業のA型・B型では、保育所の基準に1を加えた数以上の職員を配置することになっています[3]。2026年4月からは、3〜5歳児のみを対象とする小規模保育事業も全国に広げられました[4]。規模ごとの働き方の違いは小規模保育園に向いている人も参考にしてください。
勤務時間とシフト
開所時間が同じでも、シフトの組み方は園によって違います。遅番の終わりが18時半か19時かで、自分の子どもの迎えや夕飯の時間が変わります。土曜保育の当番の回数も、近所の園どうしで差が出やすいところです。
保育方針と行事
行事の多さ、制作物の量、外遊びの時間は、毎日の働き方に直結します。園のホームページや見学で、年間の行事予定と、行事前に残る日がどれくらいあるかを確かめておきます。
職員の入れ替わり
見学では、職員の年齢層や、長く勤めている人がどれくらいいるかに目を向けます。直接聞きにくいときは「この園には何年くらいお勤めの方が多いですか」と尋ねると、答えてもらいやすくなります。見学で見るポイントは園見学のチェックリストにまとめています。
異動の可能性
近いから選んだのに、数年後に法人の別の園へ異動、ということもありえます。2024年4月から、求人を出すときに示す事項に「就業の場所の変更の範囲」が加わったので[5]、求人票でまず確かめ、面接で異動の頻度を聞いておきます。
通勤の細かな条件
同じ自転車12分でも、坂道の多さや大通りを渡る回数で負担は変わります。駐輪場があるか、雨の日に別の手段で通えるかも、近所ならではの確認事項です。
生活圏との重なり
最後の視点は、ほかの記事ではあまり語られないものです。次の見出しで詳しく取り上げます。
04地元で働く前に考えておきたい「近さ」の裏側
要点:自宅の近くで働くと、保護者や子どもと生活の場で顔を合わせる機会が増えます。気になるかどうかは人によって違うため、先に自分の気持ちを確かめておくと、応募してから迷わずに済みます。
図4
保護者と会う
スーパーや公園、病院の待合室で保護者に声をかけられる。休日も「先生」として見られる
慣れると気にならない人も多い
自分の子ども
わが子が同じ園や同じ小学校に通う。保護者としての立場と職員としての立場が重なる
応募前に園と相談
地域のつながり
町内会や学校の行事で、同僚や保護者と顔を合わせる。うわさが届きやすい
線引きを決めておく
辞めるとき
退職後も同じ地域で暮らすため、辞め方が気になりやすい
丁寧な引き継ぎで和らぐ
保護者と生活の場で会うことを、まったく気にしない人もいます。むしろ「地域の子育て事情が分かって保育に生かせる」「保護者が安心してくれる」と、前向きにとらえる人もいます。一方で、休日に部屋着のまま近所のコンビニに行けなくなるのがつらい、という声もあります。どちらが正しいということはありません。自分がどちらに近いかを、応募の前に考えておくことが大事です。
自分の子どもと同じ園で働くことについては、園によって考え方が分かれます。職員の子どもの入園を受け入れている園もあれば、保護者と職員の立場が重なることを避けるため、別の園を勧める園もあります。気になる場合は、見学や面接の段階で率直に聞いておくと、入職後に困らずに済みます。
もう一つ考えておきたいのが、SNSと休日の過ごし方です。近所の園で働くなら、SNSの公開範囲を見直す、地域の行事では「先生」として見られる前提でふるまう、といった小さな線引きを決めておくと、気持ちの負担が軽くなります。「歩いて行ける距離だけれど、学区は隣」くらいの距離感を選ぶ人が多いのも、このためです。
図5
- 休日に保護者と会っても、笑顔であいさつできそうか気になる人ほど、学区を一つずらすだけで気持ちが楽になります
- 自分の子どもと同じ園、同じ学校になってもよいか立場が重なることへの考えは、園と自分の両方で確かめます
- 近所づきあいと仕事の話を分けられそうか地域の集まりで園の話を聞かれる場面を想像しておきます
- SNSや休日の過ごし方を見直せるか小さな線引きを決めておくと、生活圏が重なっても疲れにくくなります
- 退職するときも同じ地域に住み続けるか辞め方まで想像できると、近所の園を選ぶ覚悟が決まります
地元で働くことには、良さもたくさんある
裏側ばかりを並べましたが、地元で働く良さも確かにあります。地域の公園や散歩コース、近くの小学校の様子を知っているので、保育の計画に生かしやすいこと。保護者にとっても、同じ地域に住む先生は話しかけやすい存在であること。台風や大雪の日でも、歩いて園に向かえること。わが子の急な発熱にも、すぐに駆けつけられること。近さの良さと裏側を両方並べたうえで選んだ園なら、多少気まずい場面があっても、「それでもここを選んだ」と思えるはずです。
05相談事例:一番近い園ではなく、「ちょうどいい距離」の園を選んだ
要点:ここでは、近所の園を書き出して比べたことで、最初に考えていた園とは別の園を選んだモデルケースを紹介します。近さの「理由」を確かめていく流れに注目してください。
徒歩5分ではなく、自転車12分を選んだ理由
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ここなさん(仮名)・36歳
- 保育士歴
- 12年目(育休1年を含む)
- 勤務先
- 相談前は電車で40分の私立認可保育園(定員約100名)、2歳児クラス担任
- 家族
- 夫と小学2年生の長男の3人暮らし
- 変化
- 通勤 片道40分 → 自転車12分、学童の迎えに自分で行ける日 週3日 → 週5日
編集部近所で働きたいと思ったきっかけは何でしたか。
長男が小学校に上がって、学童のお迎えが18時半までになったんです。遅番の日は園を出るのが19時近くで、週に2日は夫か母に頼んでいました。毎回「ごめんね」って言うのがしんどくて。近くで働けば全部解決する、と思い込んでいました。
編集部最初はどの園を考えていましたか。
家から歩いて5分のA園です。毎朝、前を通っていたので、ずっと気になっていて。でも相談のときに「範囲の中にある園を、まず全部書き出してみませんか」と言われて、地図で数えたら自転車15分以内に7園もあったんです。正直、A園しか見えていませんでした。
編集部比べてみて、何が変わりましたか。
3園を見学しました。A園の見学のとき、お迎えに来ていたのが長男の同級生のお母さんで、PTAで一緒に係をしている人だったんです。悪いことは何もないんですけど、仕事でも学校でも、ずっと同じ顔ぶれと一緒なんだなって想像したら、少し息苦しくなってしまって。
編集部最終的な決め手は何でしたか。
隣の学区のB園は、遅番でも18時半に終わるシフトで、学童の迎えに間に合うんです。遅番の終わりが18時半か19時かで暮らしがどれだけ変わるかを、細かく説明しなくても分かってもらえたのが心強かったです。「A園でもB園でも、決めるのはここなさんです」と言われて、ちゃんと自分で選べた気がしました。
近ければ近いほどいいと思っていたけど、私に必要だったのは「ちょうどいい距離」でした。
ここなさん(仮名)
ここなさんは年度末で退職し、4月から自転車で12分のB園で1歳児クラスを担当しています。遅番の日も学童の迎えに間に合うようになり、家族に送迎を頼む日はなくなりました。A園の前は今も毎朝通りますが、「選ばなかった理由がはっきりしているので、もう気にならない」と話しています。
ここなさんの選び方で参考になるのは、一番近い園に決める前に、範囲内の園をすべて書き出し、同じ物差しで比べたことです。近さを求めた本当の理由が「学童の迎え」だと分かっていたので、徒歩5分よりも、終業時刻と生活圏との距離を優先できました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
ここなさんのように、近さを求める理由は人によって違います。理由がはっきりしていれば、「一番近い園」ではなく「自分の暮らしに一番合う園」を選べます。
06近所の園に応募するまでの進め方
要点:範囲を決めてから応募するまでは、2〜4週間ほどを見ておくと落ち着いて進められます。比較表を作る段階で、見学で確かめたいことを書き足していくのがこつです。
図6
範囲を決める
通勤手段ごとに「何分以内」を決め、地図に範囲を描く
園を書き出す
自治体の施設一覧などで、範囲内の園を求人の有無に関係なく書き出す
求人を確かめる
求人サイト、ハローワーク、保育士・保育所支援センター、園のホームページで募集を確かめる
比較表を作る
園種と規模、勤務時間、保育方針、異動の可能性、生活圏との重なりを一つの表に並べる
見学する
候補を2〜3園に絞り、自分が通勤する時間帯に合わせて見学する
応募する
比較表で一番納得できた園に応募し、面接で残りの疑問を確かめる
見学は「通勤する時間帯」に合わせて行く
近所の園だと、つい空いた時間にふらっと行きたくなります。けれど、早番で通う朝の道の混み具合や、遅番で帰る夜道の明るさは、その時間に行かなければ分かりません。見学の約束は日中でも、その前後に一度、通勤する時間帯に園の前まで行ってみると安心です。
近所でも、条件の確認は省略しない
近所の園や知り合いの紹介だと、条件の確認を口頭で済ませてしまいがちです。求人を出す側には、業務内容、就業場所、就業時間・休憩・休日、賃金などを、原則として最初の面接までに示すことが求められています[6]。書面で受け取った条件と、面接で聞いた話が合っているかを、近い園ほど丁寧に確かめてください。
通勤時間の差を、1か月の合計で比べておく
応募先を決める前に、今の通勤と候補の園の通勤を、1か月の合計で比べておくと決断の後押しになります。たとえば片道40分の通勤が自転車12分になれば、1日の往復で56分、月20日の勤務なら1か月で約19時間の差になります。この時間を、睡眠、家族との夕飯、自分の休息のどれに使いたいかまで書いておくと、面接で「なぜこの園なのか」を聞かれたときにも、自分の言葉で答えやすくなります。
在職中に近所の園を探すときの気づかい
今の園の保護者や同僚が、同じ地域に住んでいることもあります。見学の日は有給休暇を使って平日に行く、見学先の園には在職中であることを伝えて配慮をお願いする、といった工夫をしておくと、話が広がる心配を減らせます。
07近所で働く選択を後悔しないための、2つの注意
要点:一つは、近さを理由に、ほかの大事な条件をあきらめないこと。もう一つは、近所の園ほど「いつでも行ける」と後回しにしやすいことです。
1. 近さは条件の一つで、全部ではない
通勤が楽になることは、毎日の暮らしを確実に変えます。それでも、近さのために給与や保育方針を大きく妥協すると、別の不満が育ちます。条件を3つに絞るなら、近さはそのうちの一つと考えてください。通勤時間を含めた転職全体の考え方は、通勤時間が長いときの転職ガイドにまとめています。近い園と遠い園で給与に差があるときの比べ方は、通勤と給料の比べ方が参考になります。
2. 近所の園ほど、後回しにしやすい
「近いから、いつでも見に行ける」と思っているうちに、気になっていた園の求人が埋まってしまうことがあります。保育士の有効求人倍率は年度の中でも変わり、2026年1月は3.88倍でした[7]。年度替わりに向けて募集が増える時期に動けるよう、範囲を決めて園を書き出す作業だけでも、早めに済ませておくと安心です。
ほいくの相談室では、近所の園をどう比べるか、地元で働くことへの不安をどう整理するかといった、応募を決める前の段階の相談も受けています。書き出した園のリストを手元に置いて話すだけでも、考えがまとまりやすくなります。
よくある質問
近所の園に、求人が出ていなくても問い合わせてもいいですか?
問い合わせること自体は問題ありません。年度の途中で欠員が出ていたり、次の4月に向けて募集を考えていたりすることもあります。電話なら園の忙しい時間帯を避け、午睡の時間帯など比較的落ち着いた時間にかけると、話を聞いてもらいやすくなります。
自分の子どもが通っている園で働くことはできますか?
園によって考え方が違います。職員の子どもを受け入れている園もあれば、保護者と職員の立場が重なることを避けるため、別の園を勧める園もあります。気になる場合は、応募の前に見学や面接で率直に聞いておくと安心です。
近所の園で働いていることを、保護者に知られたくありません。
同じ地域で暮らしていれば、知られることを完全に避けるのは難しいものです。気になるなら、同じ学区を避けて隣の学区の園を選ぶ、SNSの公開範囲を見直すといった方法で、生活圏との重なりを小さくできます。
近い園なら、給料が少し低くても選んだほうがいいですか?
一概には言えません。通勤時間の差を1か月・1年の合計に直し、交通費の自己負担や家族の送迎の負担も含めて比べると判断しやすくなります。月の給与差と、近さで得られる時間の両方を書き出してから決めてください。
地元に戻って働きたいのですが、離れた場所からでも近所の求人を探せますか?
探せます。地元の保育士・保育所支援センターに問い合わせると、地域の求人情報や就職の相談を受けられます[2]。見学のための帰省の日程が決まったら、その期間に2〜3園をまとめて回れるよう、早めに連絡を入れておくと効率よく進められます。
徒歩圏の園と自転車圏の園で迷っています。どちらがいいですか?
近さを求める理由によって答えが変わります。雨の日も同じように通いたい、送迎と組み合わせたいなら徒歩圏が向いています。生活圏との重なりを小さくしたい、選べる園を増やしたいなら、自転車圏まで広げると選択肢が増えます。比較表で、近さ以外の条件も並べてから決めてください。
参考にした資料
- こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」
- こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
- 家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第29・31・34・35条
- こども家庭庁「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)の概要」
- 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
- 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
- こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.1)」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。